【注意】備忘録。内容に誤りがある可能性あり。

カテゴリー: 木本

  • ヤマウルシ Rhus trichocarpa

    ウルシ科ウルシ属
    漢字:山漆
    名前の由来:
    山に生える「ウルシ」。
    「ウルシ(漆)」は、幹に傷をつけると汁(樹液)がしたたることから「潤液(うるしる)」から説、
    「塗液(ぬるしる)」が転訛した説など諸説あり。
    樹形:落葉低木
    葉:互生、奇数羽状複葉
    花:雌雄異株、円錐花序、黄緑色
    花期:5~6月
    果実:核果、粗い毛が密に生える、黄褐色
    果期:9~10月
    備考:
    樹液にウルシオールなどを含み、触れるとかぶれやすい。
    若い茎の小葉は粗い鋸歯があるが、古い茎の小葉は全縁。
    ヤマハゼハゼノキヌルデとの違い>

    葉軸、小葉幼木の小葉果実冬芽葉痕
    ヤマウルシ葉軸、小葉柄に軟毛が密生、
    葉裏の脈上に軟毛が密生
    小葉の側脈が主脈と直角に近い角度
    粗い鋸歯あり外果皮が刺毛に覆われる頂芽があり冬芽は裸芽、やや短く円錐~球形で、毛は短い三角~ハート形で側芽の下
    ヤマハゼ葉軸の上面に軟毛が密生、
    葉裏に毛が散生
    小葉の側脈が主脈に対してやや鋭角
    全縁無毛頂芽があり冬芽は裸芽、少し長い卵形で、毛は長い同上
    ハゼノキ無毛同上同上頂芽があり冬芽に芽鱗あり、先端は尖る、無毛同上
    ヌルデ葉表は主脈以外は無毛、葉裏は軟毛が密生、小葉の間の葉軸に翼あり粗い鈍鋸歯外果皮に茶褐色の細毛が密生頂芽がなく仮頂芽で冬芽に芽鱗ありU/V字形で側芽を囲む
    ヤマウルシ
    20211212_県立森林公園
    ヤマウルシ
    20220619_遊木の森
    ヤマウルシ
    20220619_遊木の森
    ヤマウルシ
    20220619_遊木の森
  • ヤマウコギ Acanthopanax spinosus

    ウコギ科ウコギ属
    漢字:山五加木
    名前の由来:
    山に生える「ウコギ」。
    「ウコギ(五加木)」は、中国での漢名「五加(ウコ)」の後ろに「木」を付けた。
    樹形:落葉低木
    葉:互生、短枝では束生、5出の掌状複葉
    花:雌雄異株、短枝に散形花序、黄緑色
    花期:5~6月
    果実:液果、赤褐色→黒褐色
    果期:7~8月
    備考:
    日本固有種。
    茎の葉痕の下に鋭い逆刺あり。
    ウコギ(ヒメウコギ)と共に、新芽や樹皮、果実は強精・強壮薬に用いた。
    ミヤマウコギとの違い>
    ミヤマウコギの備考参照。

    ヤマウコギ
    20230619_富士山こどもの国
    ヤマウコギ
    20230619_富士山こどもの国
    ヤマウコギ
    20230619_富士山こどもの国
  • ヤブムラサキ Callicarpa mollis

    シソ科ムラサキシキブ属
    漢字:藪紫
    名前の由来:「ムラサキシキブ」に似ていて葉や枝に毛が多いことから「藪」がついた説あり。
    樹形:落葉低木
    葉:対生
    花:両性花、集散花序、紅紫色
    花期:6~7月
    果実:液果状の核果、紫色
    果期:9~11月
    備考:
    枝葉に灰白色の星状毛が密生しており、ビロードのような感触あり。
    ムラサキシキブとの違い>
    ムラサキシキブの備考参照。

    ヤブムラサキ
    20211212_森林公園
    ヤブムラサキ
    20211212_森林公園
    ヤブムラサキ
    20211212_森林公園
    ヤブムラサキ
    20211212_森林公園
    ヤブムラサキ
    ヤブムラサキ
    20231001_高山・市民の森
    ヤブムラサキ
    20231001_高山・市民の森
    ヤブムラサキ
    20231031_山梨・健康の森
    ヤブムラサキ
    20231124_有度山
    ヤブムラサキ
    20231124_有度山
    ヤブムラサキ
    20231124_有度山
    ヤブムラサキ
    20240428_高山・市民の森
    ヤブムラサキ
    20240428_高山・市民の森
    ヤブムラサキ
    20240517_竜爪山
    ヤブムラサキ
    20240517_竜爪山
    ヤブムラサキ
    20240517_竜爪山
  • ヤブニッケイ Cinnamomum japonicum

    クスノキ科クスノキ属
    漢字:藪肉桂
    名前の由来:
    藪に生える「ニッケイ」。
    「ニッケイ(肉桂)」は、中国語由来で日本語の音読み。中国では香木を「桂」と呼び、その中で樹皮の肉厚なシナモン類やその樹皮を肉桂と呼んだ。
    樹形:常緑高木
    葉:互生
    花:両性花、散形花序、淡黄緑色
    花期:6月
    果実:液果、黒紫色
    果期:10~11月
    備考:
    クスノキ科の樹木には、樹皮や葉に独特の香りがあるが、その中で香りが最も強い。
    クスノキ同様、アオスジアゲハの幼虫の食用。
    種子からは精油をとり、樹皮や葉はリウマチや腰痛、痛風、打撲の薬に用いる。
    材はクスノキより少し緻密で、器具や家具などに用いる。
    <ニッケイとの葉の違い>

    三行脈の側脈(ニ枝脈)裏面
    ヤブニッケイ葉の肩先付近でなくなる無毛で淡い緑色
    ニッケイ葉の先端付近に達する伏毛が密生して粉白色
    明確な肉桂の香りあり

    クスノキ、ヤブニッケイ、ニッケイ、シロダモ、イヌガシの違い>

    葉序葉の特徴花の色花の雌雄果実の色
    クスノキ三行脈の交点にダニ部屋あり淡黄緑色~黄褐色両性花黒色
    ヤブニッケイ間隔を空けて不規則な互生状同上同上同上
    ニッケイ同上同上同上
    シロダモ枝から輪生状若葉は黄褐色の絹毛でおおわれ下垂
    成葉の裏面はロウ質で灰白色
    同上単性花花/異株赤色
    イヌガシ最も細長く、先が鋭く尖る
    裏面はロウ質のため粉白色
    他のような香りなし
    暗紅紫色両性花黒色
    ヤブニッケイ
    20211030_遊木の森
    ヤブニッケイ
    20220223_朝鮮岩
    ヤブニッケイ
    20220223_朝鮮岩
    ヤブニッケイ
    20220223_朝鮮岩
    ヤブニッケイ
    20220223_朝鮮岩
    ヤブニッケイ
    20220312_花沢山
    ヤブニッケイ
    20220312_花沢山
    ヤブニッケイ
    20240310_朝鮮岩
    ヤブニッケイ
    20240310_朝鮮岩
    ヤブニッケイ
    20241015_遊木の森
  • ヤブデマリ Viburnum plicatum var.tomentosum

    ガマズミ科ガマズミ属
    漢字:藪手鞠
    名前の由来:藪に生えて、手毬のような花が咲く。
    樹形:落葉低木~小高木
    葉:対生
    花:両性花、散房花序、白色
    花期:4~6月
    果実:核果、赤→黒色
    果期:8~10月
    備考:
    日本固有種。
    花の着く枝の葉は円形に近く、花の着かない枝の葉は細長い。
    他、ムシカリの備考参照。
    ムシカリとの違い>
    ムシカリの備考参照。

    ヤブデマリ
    20220508_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20220508_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20220508_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20220508_高山・市民の森

    ヤブデマリ
    20220613_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20220613_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20220911_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20241006_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20230502_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20230502_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20240303_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20240303_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20240504_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20240504_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20250309_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20250309_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20250412_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20250412_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20250427_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20250427_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20250427_高山・市民の森
  • ヤブツバキ(ツバキ) Camellia japonica

    ツバキ科ツバキ属
    漢字:藪椿
    名前の由来:
    藪に生える「ツバキ」。
    「ツバキ(椿)」は、葉が厚く、艶があるため、「厚葉木(あつばき)」あるいは「艶葉木(つやばき)」に由来する。
    樹形:常緑高木
    葉:互生
    花:両性花、赤色(まれに淡紅色、白色)
    花期:12~4月
    果実:蒴果、緑色、種子は褐色
    果期:9~11月(花期2~4月の場合)
    備考:
    日本固有種。
    種子を絞った油(椿油(つばきあぶら))は、食用(天ぷら油)や化粧用(髪油)に用いる。
    材は「一樫、二茱萸(ぐみ)、三椿」という堅い木の順番のことわざがあり、堅く緻密で、将棋の駒やそろばん玉、櫛、漆器の木地などに用いられる。
    木炭は、蒔絵や金箔張りの研磨に使われる。
    焼いた灰は紫染めの媒染剤。
    <鳥媒花>
    花は昆虫の活動が少ない冬から早春の寒い時期に咲く。鳥類は赤い色を最も強く感受するため、花は赤い。鳥(ヒヨドリ)のために横向きに咲く。花びらは鳥(メジロ)の体重でも壊れぬように硬くて丈夫(メジロは下側の花びらに爪をかけてしがみつく)。鳥に花の香りはほとんど無意味なため、香りはない。
    鳥媒花の条件
    ・鳥が活動する昼間に開花する。
    ・鳥の胃袋を満たす薄く大量の蜜を分泌する。
    ・鳥に認識される鮮やかな赤色である。
    サザンカとの違い>

    花の開き方花びらの散り方若枝、葉柄葉を日に透かす果実
    サザンカ平開バラバラ褐色毛あり透けない有毛
    ヤブツバキ半開き花冠ごと落下無毛主脈、側脈が透ける無毛

    花びらの基部が合着しているため、花びらはバラバラに散らないで、固まってポタッと落ちる。雄しべも基部が合着して花びらに着いているため、花びらと一緒に落ちる。

    ヤブツバキ
    20211018_城北公園
    ヤブツバキ
    20211018_城北公園
    ヤブツバキ
    20220801_県立美術館
    ヤブツバキ
    20220801_県立美術館
  • ヤブコウジ Ardisia japonica

    サクラソウ科ヤブコウジ属
    漢字:藪柑子
    名前の由来:藪の中に生えて、葉や果実がミカン科の「コウジ(柑子)」に似る。
    樹形:常緑低木
    葉:互生
    花:両性花、白色
    花期:7~8月
    果実:核果、赤色
    果期:10~11月
    備考:
    正月飾りでは「十両」と呼ばれる。
    ツルコウジとの違い>
    ツルコウジは、茎や葉に褐色の長い毛がある。ヤブコウジは短毛が密生している。

    ヤブコウジ
    20231016_県立森林公園
    ヤブコウジ
    20231016_県立森林公園
    ヤブコウジ
    20241129_県立美術館
  • ヤブウツギ Weigela floribunda

    スイカズラ科タニウツギ属
    漢字:藪空木
    名前の由来:
    「ヤブ(藪)」は、枝が密生してやぶ状になる。
    「ウツギ(空木)」は、ウツギの名前の由来参照。枝の髄は白く充実している。
    樹形:落葉低木
    葉:対生
    花:両性花、濃~暗紅色
    花期:5~6月
    果実:蒴果、裂開すると有翼の細小な種子を出す
    果期:11月頃
    備考:
    日本固有種。
    枝や花冠、果実に毛が多い。

    ヤブウツギ
    20230702_高山・市民の森
    ヤブウツギ
    20230702_高山・市民の森
    ヤブウツギ
    20240428_高山・市民の森
    ヤブウツギ
    20240428_高山・市民の森
    ヤブウツギ
    20240428_高山・市民の森
    ヤブウツギ
    20240428_高山・市民の森
    ヤブウツギ
    20250427_高山・市民の森
  • ヤハズハンノキ Alnus matsumurae

    カバノキ科ハンノキ属
    漢字:矢筈榛の木
    名前の由来:
    「ヤハズ(矢筈)」は、葉の先端のちぎったように凹んだ形を矢筈に見立てた。
    「ハンノキ(榛の木)」は、ハンノキの名前の由来参照。
    樹形:落葉高木
    葉:互生
    花:雌雄同株
    花期:4~5月
    果実:堅果が集まった複合果
    果期:9~11月
    備考:
    日本固有種。
    亜高山帯に生える。
    <ハンノキ属の根粒菌(放線菌)による窒素固定>
    ハンノキの備考参照。

    ヤハズハンノキ
    20230817_富士山七曲り駐車場付近
    ヤハズハンノキ
    20230817_富士山七曲り駐車場付近
    ヤハズハンノキ
    20230817_富士山七曲り駐車場付近
  • ヤドリギ Viscum album var. coloratum

    ビャクダン科ヤドリギ属
    漢字:寄生木/宿木
    名前の由来:樹の上を宿のように寄生して繁茂する。
    樹形:常緑半寄生低木
    葉:対生、クチクラ層が発達して多肉
    花:雌雄異株、黄色
    花期:2~3月
    果実:液果(備考参照)、淡黄色
    果期:10~12月
    備考:
    <半寄生植物>
    他の植物に寄生し、寄生した植物から水分や栄養分を摂取して、光合成をしながら成長する植物。
    「ヤドリギの場合」
    ケヤキやエノキ、ミズナラ、サクラなど落葉広葉樹の枝に寄生。
    実はヒレンジャクやキレンジャクなどの鳥が食べるが、この実は強力な粘着質を含むため、鳥の消化管を通りぬけた種子は、粘着質によって樹上の枝にくっつく。樹上で「胚軸(はいじく)」と呼ばれるものを発芽し、その先端を吸盤の形に変形させて樹皮の表面にとりつく。先端から樹皮を溶かす酵素を出し、奇主の幹にくさび状の「吸根/寄生根」を挿入する。「吸根/寄生根」は幹の内部で道管の内部に到達し、奇主から水分や栄養分を吸い上げる。

    ヤドリギ
    20240911_箱根湿生花園
    ヤドリギ
    20240911_箱根湿生花園