【注意】備忘録。内容に誤りがある可能性あり。

カテゴリー: 木本

  • ヤブニッケイ Cinnamomum japonicum

    クスノキ科クスノキ属
    漢字:藪肉桂
    名前の由来:
    藪に生える「ニッケイ」。
    「ニッケイ(肉桂)」は、中国語由来で日本語の音読み。中国では香木を「桂」と呼び、その中で樹皮の肉厚なシナモン類やその樹皮を肉桂と呼んだ。
    樹形:常緑高木
    葉:互生
    花:両性花、散形花序、淡黄緑色
    花期:6月
    果実:液果、黒紫色
    果期:10~11月
    備考:
    クスノキ科の樹木には、樹皮や葉に独特のにおいがあるが、その中でにおいが最も強い。
    クスノキ同様、アオスジアゲハの幼虫の食用。
    種子からは精油をとり、樹皮や葉はリウマチや腰痛、痛風、打撲の薬に用いる。
    材はクスノキより少し緻密で、器具や家具などに用いる。
    <ニッケイとの葉の違い>

    三行脈の側脈(ニ枝脈)裏面
    ヤブニッケイ葉の肩先付近でなくなる無毛で淡い緑色
    ニッケイ葉の先端付近に達する伏毛が密生して粉白色
    明確な肉桂のにおいあり

    クスノキ、ヤブニッケイ、ニッケイ、シロダモ、イヌガシの違い>

    葉序葉の特徴花の色花の雌雄果実の色
    クスノキ三行脈の交点にダニ部屋あり淡黄緑色~黄褐色両性花黒色
    ヤブニッケイ間隔を空けて不規則な互生状同上同上同上
    ニッケイ同上同上同上
    シロダモ枝から輪生状若葉は黄褐色の絹毛でおおわれ下垂
    成葉の裏面はロウ質で灰白色
    同上単性花/異株赤色
    イヌガシ最も細長く、先が鋭く尖る
    裏面はロウ質のため粉白色
    他のようなにおいなし
    暗紅紫色両性花黒色
    ヤブニッケイ
    20211030_遊木の森
    ヤブニッケイ
    20220223_朝鮮岩
    ヤブニッケイ
    20220223_朝鮮岩
    ヤブニッケイ
    20220223_朝鮮岩
    ヤブニッケイ
    20220223_朝鮮岩
    ヤブニッケイ
    20220312_花沢山
    ヤブニッケイ
    20220312_花沢山
    ヤブニッケイ
    20240310_朝鮮岩
    ヤブニッケイ
    20240310_朝鮮岩
    ヤブニッケイ
    20241015_遊木の森
  • ヤブデマリ Viburnum plicatum var.tomentosum

    ガマズミ科ガマズミ属
    漢字:藪手鞠
    名前の由来:藪に生えて、手毬のような花が咲く。
    樹形:落葉低木~小高木
    葉:対生
    花:両性花、散房花序、白色
    花期:4~6月
    果実:核果、赤→黒色
    果期:8~10月
    備考:
    日本固有種。
    花の着く枝の葉は円形に近く、花の着かない枝の葉は細長い。
    他、ムシカリの備考参照。
    ムシカリとの違い>
    ムシカリの備考参照。

    ヤブデマリ
    20220508_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20220508_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20220508_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20220508_高山・市民の森

    ヤブデマリ
    20220613_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20220613_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20220911_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20241006_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20230502_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20230502_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20240303_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20240303_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20240504_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20240504_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20250309_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20250309_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20250412_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20250412_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20250427_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20250427_高山・市民の森
    ヤブデマリ
    20250427_高山・市民の森
  • ヤブツバキ(ツバキ) Camellia japonica

    ツバキ科ツバキ属
    漢字:藪椿
    名前の由来:
    藪に生える「ツバキ」。
    「ツバキ(椿)」は、葉が厚く、艶があるため、「厚葉木(あつばき)」あるいは「艶葉木(つやばき)」に由来する。
    樹形:常緑高木
    葉:互生
    花:両性花、赤色(まれに淡紅色、白色)
    花期:12~4月
    果実:蒴果、緑色、種子は褐色
    果期:9~11月(花期2~4月の場合)
    備考:
    日本固有種。
    種子を絞った油(椿油(つばきあぶら))は、食用(天ぷら油)や化粧用(髪油)に用いる。
    材は「一樫、二茱萸(ぐみ)、三椿」という堅い木の順番のことわざがあり、堅く緻密で、将棋の駒やそろばん玉、櫛、漆器の木地などに用いられる。
    木炭は、蒔絵や金箔張りの研磨に使われる。
    焼いた灰は紫染めの媒染剤。
    <鳥媒花>
    花は昆虫の活動が少ない冬から早春の寒い時期に咲く。鳥類は赤い色を最も強く感受するため、花は赤い。鳥(ヒヨドリ)のために横向きに咲く。花びらは鳥(メジロ)の体重でも壊れぬように硬くて丈夫(メジロは下側の花びらに爪をかけてしがみつく)。鳥に花のにおいはほとんど無意味なため、においはない。
    鳥媒花の条件
    ・鳥が活動する昼間に開花する。
    ・鳥の胃袋を満たす薄く大量の蜜を分泌する。
    ・鳥に認識される鮮やかな赤色である。
    サザンカとの違い>

    花の開き方花びらの散り方若枝、葉柄葉を日に透かす果実
    サザンカ平開バラバラ褐色毛あり透けない有毛
    ヤブツバキ半開き花冠ごと落下無毛主脈、側脈が透ける無毛

    花びらの基部が合着しているため、花びらはバラバラに散らないで、固まってポタッと落ちる。雄しべも基部が合着して花びらに着いているため、花びらと一緒に落ちる。

    ヤブツバキ
    20211018_城北公園
    ヤブツバキ
    20211018_城北公園
    ヤブツバキ
    20220801_県立美術館
    ヤブツバキ
    20220801_県立美術館
  • ヤブコウジ Ardisia japonica

    サクラソウ科ヤブコウジ属
    漢字:藪柑子
    名前の由来:藪の中に生えて、葉や果実がミカン科の「コウジ(柑子)」に似る。
    樹形:常緑低木
    葉:互生
    花:両性花、白色
    花期:7~8月
    果実:核果、赤色
    果期:10~11月
    備考:
    正月飾りでは「十両」と呼ばれる。
    ツルコウジとの違い>
    ツルコウジは、茎や葉に褐色の長い毛がある。ヤブコウジは短毛が密生している。

    ヤブコウジ
    20231016_県立森林公園
    ヤブコウジ
    20231016_県立森林公園
    ヤブコウジ
    20241129_県立美術館
  • ヤブウツギ Weigela floribunda

    スイカズラ科タニウツギ属
    漢字:藪空木
    名前の由来:
    「ヤブ(藪)」は、枝が密生してやぶ状になる。
    「ウツギ(空木)」は、ウツギの名前の由来参照。枝の髄は白く充実している。
    樹形:落葉低木
    葉:対生
    花:両性花、濃~暗紅色
    花期:5~6月
    果実:蒴果、裂開すると有翼の細小な種子を出す
    果期:11月頃
    備考:
    日本固有種。
    枝や花冠、果実に毛が多い。

    ヤブウツギ
    20230702_高山・市民の森
    ヤブウツギ
    20230702_高山・市民の森
    ヤブウツギ
    20240428_高山・市民の森
    ヤブウツギ
    20240428_高山・市民の森
    ヤブウツギ
    20240428_高山・市民の森
    ヤブウツギ
    20240428_高山・市民の森
    ヤブウツギ
    20250427_高山・市民の森
  • ヤハズハンノキ Alnus matsumurae

    カバノキ科ハンノキ属
    漢字:矢筈榛の木
    名前の由来:
    「ヤハズ(矢筈)」は、葉の先端のちぎったように凹んだ形を矢筈に見立てた。
    「ハンノキ(榛の木)」は、ハンノキの名前の由来参照。
    樹形:落葉高木
    葉:互生
    花:雌雄同株
    花期:4~5月
    果実:堅果が集まった複合果
    果期:9~11月
    備考:
    日本固有種。
    亜高山帯に生える。
    <ハンノキ属の根粒菌(放線菌)による窒素固定>
    ハンノキの備考参照。

    ヤハズハンノキ
    20230817_富士山七曲り駐車場付近
    ヤハズハンノキ
    20230817_富士山七曲り駐車場付近
    ヤハズハンノキ
    20230817_富士山七曲り駐車場付近
  • ヤドリギ Viscum album var. coloratum

    ビャクダン科ヤドリギ属
    漢字:寄生木/宿木
    名前の由来:樹の上を宿のように寄生して繁茂する。
    樹形:常緑半寄生低木
    葉:対生、クチクラ層が発達して多肉
    花:雌雄異株、黄色
    花期:2~3月
    果実:液果(備考参照)、淡黄色
    果期:10~12月
    備考:
    <半寄生植物>
    他の植物に寄生し、寄生した植物から水分や栄養分を摂取して、光合成をしながら成長する植物。
    「ヤドリギの場合」
    ケヤキやエノキ、ミズナラ、サクラなど落葉広葉樹の枝に寄生。
    実はヒレンジャクやキレンジャクなどの鳥が食べるが、この実は強力な粘着質を含むため、鳥の消化管を通りぬけた種子は、粘着質によって樹上の枝にくっつく。樹上で「胚軸(はいじく)」と呼ばれるものを発芽し、その先端を吸盤の形に変形させて樹皮の表面にとりつく。先端から樹皮を溶かす酵素を出し、奇主の幹にくさび状の「吸根/寄生根」を挿入する。「吸根/寄生根」は幹の内部で道管の内部に到達し、奇主から水分や栄養分を吸い上げる。

    ヤドリギ
    20240911_箱根湿生花園
    ヤドリギ
    20240911_箱根湿生花園
  • ヤツデ Fatsia japonica

    ウコギ科ヤツデ属
    漢字:八手
    名前の由来:大型の葉が7~9裂している(「八」は多数を意味し、実際には7裂または9裂し、8裂はしない)。
    樹形:常緑低木
    葉:互生
    花:雌雄同株(上部:両性花 下部:雄花)、散形花序が集まった円錐花序、白色
    花期:11~12月
    果実:液果、赤紫褐色→黒紫色
    果期:翌年の4~5月
    備考:
    日本固有種。
    「テングノハウチワ(天狗の羽団扇)」とも呼ばれ、魔除け、厄除けになるとされ、疫病などが流行した時には、この葉で追い払えば治ると信じられた。
    両性花は「雄性先熟」で、花弁と雄しべが散ると花の中心から雌しべが伸び、自家受粉を避ける。
    花は昆虫の少ない冬に開花するが、虫媒花で、甘い蜜をたくさん蓄えてハナアブやミツバチ、オオクロバエ、キンバエなどを引き寄せる。
    葉を乾燥させたものは生薬「八角金盤(はっかくきんばん)」と呼び、鎮痛、去痰など、浴場に入れてリウマチの痛み取りに用いる。
    <陰樹(幹の太さにつり合わない大きな葉)>
    樹高を高くしない分、風当たりが弱くなるため、幹は細くてもよい。
    少ない日の光を効率よく光合成するために、葉の面積を広げ、葉柄の長さを変えている。

    ヤツデ
    20220221_朝鮮岩
    ヤツデ
    20220221_朝鮮岩
    ヤツデ
    20220619_遊木の森
    ヤツデ
    20220619_遊木の森
    ヤツデ
    20240414_県立美術館
    ヤツデ
    20241129_県立美術館
    ヤツデ
    20241129_県立美術館 雌性期
    ヤツデ
    20250404_県立美術館
    ヤツデ
    20250404_県立美術館
  • ヤチダモ Fraxinus mandshurica var. japonica

    モクセイ科トネリコ属
    漢字:谷地梻
    名前の由来:
    「ヤチ」は、谷地または野地で湿地に生える。
    「ダモ」は、アオダモの名前の由来参照。
    樹形:落葉高木
    葉:対生、奇数羽状複葉
    花:雄性両性異株、円錐花序、無花被花(萼と花冠なし)
    花期:4~5月
    果実:翼果
    果期:10月頃
    備考:
    小葉のつけ根に茶褐色の縮れた毛が密生する。
    材はかたく、加工しやすく、建築の内装材、バットなどの運動具や家具材に用いる。

    ヤチダモ
    20240918_箱根湿生花園
    ヤチダモ
    20240918_箱根湿生花園
    ヤチダモ
    20240918_箱根湿生花園
    ヤチダモ
    20240918_箱根湿生花園
  • ヤシャブシ Alnus firma

    カバノキ科ハンノキ属
    漢字:夜叉五倍子
    名前の由来:
    「ヤシャ(夜叉)」は、果穂に凸凹があり、これを夜叉に見立てた。
    「ブシ(五倍子)」は、果穂にタンニンが多く、黒色染料とする五倍子(ふし)(ヌルデの虫えい)の代用にした。
    樹形:落葉小高木
    葉:互生
    花:雌雄同株
    花期:3~4月
    果実:堅果が集まった複合果、緑色→黒褐色
    果期:10~11月
    備考:
    日本固有種。
    <ハンノキ属の根粒菌(放線菌)による窒素固定>
    ハンノキの備考参照。
    <ヤシャブシ類の区分>

    側脈数花序の位置花穂
    ヤシャブシ10~17対雄花序:枝の先端
    雌花序:雄花序の下
    上向
    1~2個
    オオバヤシャブシ12~16対雄花序:雌花序の下
    雌花序:枝先端の葉芽の下
    上向
    1個
    ヒメヤシャブシ20~26対雄花序:枝の先端
    雌花序:雄花序の下
    下垂
    2~3個
    ヤシャブシ
    20231023_県立森林公園
    ヤシャブシ
    20231023_県立森林公園
    ヤシャブシ
    20231023_県立森林公園
    ヤシャブシ
    20231023_県立森林公園
    ヤシャブシ
    20231101_清里自然歩道
    ヤシャブシ
    20231101_清里自然歩道
    ヤシャブシ
    20231101_清里自然歩道
    ヤシャブシ
    20231101_清里自然歩道
    ヤシャブシ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ヤシャブシ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ヤシャブシ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ヤシャブシ
    20241125_佐鳴湖 葉芽
    ヤシャブシ
    20241202_佐鳴湖 葉芽
    ヤシャブシ
    20241202_佐鳴湖 雄花序
    ヤシャブシ
    20241202_佐鳴湖 葉芽