ウコギ科ウコギ属
漢字:山五加木
名前の由来:
山に生える「ウコギ」。
「ウコギ(五加木)」は、中国での漢名「五加(ウコ)」の後ろに「木」を付けた。
樹形:落葉低木
葉:互生、短枝では束生、5出の掌状複葉
花:雌雄異株、短枝に散形花序、黄緑色
花期:5~6月
果実:液果、赤褐色→黒褐色
果期:7~8月
備考:
日本固有種。
茎の葉痕の下に鋭い逆刺あり。
ウコギ(ヒメウコギ)と共に、新芽や樹皮、果実は強精・強壮薬に用いた。
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ヤツデ Fatsia japonica
ウコギ科ヤツデ属
漢字:八手
名前の由来:大型の葉が7~9裂している(「八」は多数を意味し、実際には7裂または9裂し、8裂はしない)。
樹形:常緑低木
葉:互生
花:雌雄同株(上部:両性花 下部:雄花)、散形花序が集まった円錐花序、白色
花期:11~12月
果実:液果、赤紫褐色→黒紫色
果期:翌年の4~5月
備考:
日本固有種。
「テングノハウチワ(天狗の羽団扇)」とも呼ばれ、魔除け、厄除けになるとされ、疫病などが流行した時には、この葉で追い払えば治ると信じられた。
両性花は「雄性先熟」で、花弁と雄しべが散ると花の中心から雌しべが伸び、自家受粉を避ける。
花は昆虫の少ない冬に開花するが、虫媒花で、甘い蜜をたくさん蓄えてハナアブやミツバチ、オオクロバエ、キンバエなどを引き寄せる。
葉を乾燥させたものは生薬「八角金盤(はっかくきんばん)」と呼び、鎮痛、去痰など、浴場に入れてリウマチの痛み取りに用いる。
<陰樹(幹の太さにつり合わない大きな葉)>
樹高を高くしない分、風当たりが弱くなるため、幹は細くてもよい。
少ない日の光を効率よく光合成するために、葉の面積を広げ、葉柄の長さを変えている。 -
ハリギリ Kalopanax pictus
ウコギ科ハリギリ属
漢字:針桐
名前の由来:とげがあって、大きな葉が「キリ」の葉に似ている。
樹形:落葉高木
葉:互生、5~7片に中裂する掌状葉、枝先に集まる
花:両性花、散形花序、黄緑色、約は赤褐色
花期:5~7月
果実:液果、赤褐色→黒色
果期:10月
備考:
鋭いとげが多い。
新芽は山菜になる。
材は軽軟で加工性がよく、家具や建築内装、漆器木地、合板などに用いる有用材。 -
タラノキ Aralia elata
ウコギ科タラノキ属
漢字:楤木
名前の由来:朝鮮語に由来する説あり。
樹形:落葉低木
葉:互生、2回奇数羽状複葉
花:雌雄同株(枝の上部の花序に両性花、下方の花序に雄花が多い)、複散形花序、淡緑白色
花期:8~9月
果実:液果、黒紫色
果期:9~10月
備考:
とげのある真っ直ぐな幹に、直接葉がついた樹形で、とげが多い(葉柄、葉軸、小葉軸、小葉の表裏にとげあり)。
新芽(タラノメ)は「山菜の王様」や「山のバター」と呼ばれ、脂質とタンパク質が多く栄養価が高い。
最初に出る芽を採っても枯れることはないが、二番目あるいは三番目に出る芽を採ると枯れることがある(三番目採取で6~7割が枯死)。
葉軸基部に接する所の小葉は1枚しかない。
樹皮や根皮は、糖尿や腎臓、胃腸病に用いる。また、根を煎じたものは糖尿病の民間薬、茎にあるトゲは煎じて高血圧、葉は健胃整腸薬として用いた。 -
キヅタ Hedera rhombea
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カクレミノ Dendropanax trifidus
ウコギ科カクレミノ属
漢字:隠れ蓑
名前の由来:3裂した葉を天狗の宝物(ほうもつ)の隠れ蓑(着ると姿を消すことができる)に見立てた。蓑は稲藁などで編んで作られた雨具のこと。
樹形:常緑小高木~高木
葉:互生
花:雌雄同株(両性花のみと雄花と両性花が混じる花序)、散形花序、淡黄緑色
花期:7~8月
果実:液果、黒紫色
果期:10~11月
備考:
若木の葉は3中裂し、成木では裂けず楕円形。
陰樹で、葉は効率よく光を受けるために、葉柄の長さを変えている。
葉は1~2年ほどの寿命で、黄色になって落ちる。
樹液にウルシと一緒の成分を含み、かぶれることもある。ウルシの代用品でもあった。 -
ウド Aralia cordata
ウコギ科タラノキ属
漢字:独活
名前の由来:
茎が生育すると中空になるので宇登呂(うどろ)が転訛した説、土の中の芽を食べる「埋(うづ)」から転訛した説など諸説あり。
漢字名は、大きな葉を広げ風が吹かなくても動いているように見えることから「独=ひ とりでも、活=動く」の漢字があてられた。
葉:互生、2回羽状複葉
花:雌雄同株(茎の上部に両性花序、下方に雄性花序)、散形花序、淡緑白色
花期:8~9月
果実:液果、黒紫色
習性:多年草
備考:
薄紫色の若芽は独特の香気と歯ざわりがあり、春の山菜となる。
乾燥した根茎を生薬「和独活(わどっかつ)」と呼び、発汗、解熱、鎮痛など用いる。