カバノキ科アサダ属
漢字:浅田?
別名:ミノカブリ/ハネカワ
名前の由来:
不明。樹皮が浅くはがれる様子からという説あり。
「ミノカブリ」は、樹皮のはがれ方が、ミノムシが蓑(みの)をかぶっているように見える。
「ハネカワ」は、樹皮が羽根のようにはがれる。
樹形:落葉高木
葉:互生、不揃いの重鋸歯、先端は尖る、若葉は両面に軟毛が密生 その後葉柄と裏面脈上のみに残る
花:雌雄同株、雄花は 尾状花序で黄褐色、雌花は緑色、風媒花
花期:4~5月
果実:堅果が集まった複合果、果穂の長さ5~6cm、果苞は長楕円形(長さ1.5cm)で堅果を包み込む、風散布
果期:10~11月
備考:[1-1981][114][1-202P][406P][下200]
樹皮は浅く縦に裂けて、そり返った長い薄片となってはがれる。
若枝は有毛。
タグ: カバノキ科
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アサダ Ostrya japonica
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ヤマハンノキ Alnus hirsuta var. sibirica
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ヤシャブシ Alnus firma
カバノキ科ハンノキ属
漢字:夜叉五倍子
名前の由来:
「ヤシャ(夜叉)」は、果穂に凸凹があり、これを夜叉に見立てた。
「ブシ(五倍子)」は、果穂にタンニンが多く、黒色染料とする五倍子(ふし)(ヌルデの虫えい)の代用にした。
樹形:落葉小高木
葉:互生
花:雌雄同株
花期:3~4月
果実:堅果が集まった複合果、緑色→黒褐色
果期:10~11月
備考:
日本固有種。
<ハンノキ属の根粒菌(放線菌)による窒素固定>
ハンノキの備考参照。
<ヤシャブシ類の区分>側脈数 花序の位置 花穂 ヤシャブシ 10~17対 雄花序:枝の先端
雌花序:雄花序の下上向
1~2個オオバヤシャブシ 12~16対 雄花序:雌花序の下
雌花序:枝先端の葉芽の下上向
1個ヒメヤシャブシ 20~26対 雄花序:枝の先端
雌花序:雄花序の下下垂
2~3個 -
ヤエガワカンバ Betula davurica
カバノキ科カバノキ属
漢字:八重皮樺
名前の由来:
「ヤエガワ(八重皮)」は、樹皮が幾重にもはがれる。
「カンバ(樺)」は、シラカンバの名前の由来参照。
樹形:落葉高木
葉:互生(長枝)、一対(短枝)
花:雌雄同株
花期:4~5月
果実:堅果が集まった複合果
果期:9~10月 -
ミズメ Betula grossa
カバノキ科カバノキ属
漢字:水芽
名前の由来:樹皮や太い枝が傷つくと水のような樹液がしみ出る。
樹形:落葉高木
葉:互生(長枝)、一対(短枝)、鋭重鋸歯
花:雌雄同株(雄花序 長枝の先 下垂 褐黄色、雌花序 短枝の先 上向き 緑色)、風媒花
花期:4~5月
果実:堅果が集まった複合果、果穂(楕円形 長さ2~4cm 幅1.5cm 褐色)、風散布
果期:10月
備考:[1-1990][123][1-148P][386P][下197][5-48P]
日本固有種。
樹皮を傷つけるとサロメチール(サルチル酸メチル)のにおいあり。
材は重硬で肌目が緻密で美しく、弾力性に富んで割れにくく、狂いが少なく、加工性がよいため、家具材など多方面に用いられた。昔は弓材にも用いた。 -
ハンノキ Alnus japonica
カバノキ科ハンノキ属
漢字:榛の木
別名:ハリノキ
名前の由来:
古名の「榛(はり)の木」が転化した。
「榛(はり)」は、開墾を意味する古語「墾(はり)」に由来する説あり。
樹形:落葉高木
葉:互生
花:雌雄同株、枝先に雄花序 その基部に雌花序
花期:4月(寒地) 11月(暖地) ※1~3月の記事もあり
果実:堅果が集まった複合果
果期:10月
備考:
水辺や湿原などの過湿地に生える。
冬芽は、ヤシャブシ類の先が尖るのに対し、ハンノキ類は円頭で短い柄がある。
花芽のつく枝の側芽は裸芽になっている(他は芽鱗あり)。
樹皮や果穂はタンニンを含み、茶色染料として用いた。
材は堅く、器具や薪炭に用いた。
幼虫が葉を食べるミドリシジミの食樹。
<ハンノキ属の根粒菌(放線菌)による窒素固定>
ハンノキ属の樹木は、葉から窒素などを回収せずに落葉するために、落ち葉は、黄葉や紅葉せずに緑色のまま。その結果、土壌中に窒素を提供する「肥料木」となる。
根に「根粒菌(細菌の一種)」が寄生して根粒を形成している。根粒菌は、根粒内部で空気中の窒素を植物が利用できる窒素化合物(アンモニア)に変換(窒素固定)している。根粒菌により大気中の窒素を吸収することができるため、落葉時に窒素などを回収する必要がない。植物側からは、光合成生産物の糖などを根粒菌に提供し、相利共生関係が成立している。 -
ツノハシバミ Corylus sieboldiana
カバノキ科ハシバミ属
漢字:角榛
名前の由来:
「ツノ(角)」は、4つの堅果を包んでいる長い苞を角に見立てた。
「ハシバミ(榛)」は、葉に皺が多いことからの「葉皺(はしわ)」が転化した説、
実を「榛紫実(はりしばみ)」と呼んだ説などあり。
樹形:落葉低木
葉:互生
花:雌雄同株(枝の途中に雄花序、枝の先端に雌花序)
花期:3~5月
果実:総苞に包まれた堅果が集まった複合果
果期:9~10月
備考:
堅果はクリのような味がしておいしい。渋みがほとんど無く生でも食べられるが、炒ると香ばしくなる。ただし、総苞にガラス質の刺毛(しもう)があるので素手で触れる時は注意が必要。
<叢生型低木>
数本の細い株を株立ちさせ、数十年で世代交代する。一度定着すると、幹や枝だけを若返らせる。 -
ダケカンバ Betula ermanii
カバノキ科カバノキ属
漢字:岳樺
名前の由来:
「ダケ(岳)」は、標高の高いところに生える。
「カンバ(樺)」は、シラカンバの名前の由来参照。
樹形:落葉高木(森林限界付近では低木)
葉:互生(長枝)、一対(短枝)
花:雌雄同株
花期:5~6月
果実:堅果が集まった複合果、小堅果は両側に狭い翼あり
果期:9~10月
備考:
カンバ類のはげる樹皮は、油が多く濡れていても燃えるため、焚き付け材料になる。
1000~3000mの高い山地に生える(シラカンバは500~1000m)。
材は光沢があり堅く、家具、フローリング材、合板などに用いる。
<葉を維持できる期間が短い亜高山帯で生育できる理由>
・葉が薄い→多くの光を吸収することができる。
・葉の窒素濃度が高い→吸収した光を効率的に有機物に変換することができる。
根が細い。細い根は同じ重さなら太い根よりも表面積が多くなるため、窒素などの栄養吸収能力も高くなる。
<シラカンバとの違い>
シラカンバの備考参照。


























































































