【注意】備忘録。誤りがある可能性あり。

タグ: カバノキ科

  • ツノハシバミ

    基本情報

    • 学名:Corylus sieboldiana
    • 科名・属名:カバノキ科ハシバミ属
    • 漢字名:角榛
    • 別名:ナガハシバミ

    名前の由来

    • 「ツノ(角)」は、4つの堅果を包んでいる長い苞を角に見立てた
      「ハシバミ(榛)」は、葉に皺が多いことからの「葉皺(はしわ)」が転化した説、
      実を「榛紫実(はりしばみ)」と呼んだ説などあり

    生育地

    • 山地

    樹形

    • 落葉高木

    樹皮

    • 淡灰褐色でなめらか。円形または横長の皮目あり

    • 葉序:互生
    • 葉形:広卵形、葉身長6~12cm
    • 葉縁:不ぞろいの鋭重鋸歯、側脈の先の鋸歯がやや突き出る
    • 葉脈:8~10対。裏面にいちじるしく突出。基部よりの側脈はふちに向かってよく分枝する
    • 葉質:裏面は脈上に斜上毛あり
    • 葉柄:0.7~2cm、有毛
    • 若葉:赤紫色の斑が中央に現れることがある

    • 花性: 雌雄同株/異花
    • 花序
      • 雄花序:枝先近くの葉腋に1~2個垂れ下がる、長さ3~13cm
      • 雌花序:枝先に数個ずつ頭状につく
    • 花被:無花被花(萼と花冠なし)
      • 雄花:苞の内側に1個ずつつく、雄しべ8個
      • 雌花:芽鱗に包まれたまま開花し、赤い柱頭だけが芽鱗から現れる
    • 開花期:3~5月、葉の展開前
    • 送粉方法:風媒

    果実

    • 種類:果苞(総苞)に包まれた堅果が1~4個集まった複合果。花の後、雌花の小苞が筒状になって堅果を包み込む
    • :果苞は長さ3~7cmで、先がくちばし状に細くなり、全体に刺毛(しもう)が密生
    • 成熟期:9~10月

    種子

    • :堅果は1個
    • :堅果は長さ1~1.5cmの円錐形
    • 散布方法:重力散布または動物(貯食)散布
    • 食用可。ヘーゼルナッツ(セイヨウハシバミ)の近縁種。堅果はクリのような味がしておいしい。渋みがほとんど無く生でも食べられるが、炒ると香ばしくなる。ただし、果苞にガラス質の刺毛があるので素手で触れる時は注意が必要

    冬芽

    • 雄花序の冬芽は芽鱗がなく、裸出したまま冬を越す(ハシバミ属)。長さ1.5~3cm
    • 長さ4~8mmの卵状球形。鈍頭。芽鱗は紫赤色で4~5個

    葉痕

    • :小さい三角形~半円形
    • 維管束痕:3個?

    用途


    特記事項

    • 叢生型低木
      • 数本の細い株を株立ちさせ、数十年で世代交代する。一度定着すると、幹や枝だけを若返らせる

    参考

    • スタンダード版 APG牧野植物図:[1-1983]
    • 新牧野日本植物圖鑑:[116]
    • 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[1-206P]
    • 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[404P]
    • “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[下199]
    • 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[‐]
    • 「読む」植物図鑑:[‐]

    写真

    ツノハシバミ
    20221012_しらびそ高原
    ツノハシバミ
    20221012_しらびそ高原
    ツノハシバミ
    20230817_西臼塚
    ツノハシバミ
    20230817_西臼塚
    ツノハシバミ
    20230817_西臼塚
    ツノハシバミ
    20230817_西臼塚
    ツノハシバミ
    20231101_清里自然歩道
    ツノハシバミ
    20231101_清里自然歩道
    ツノハシバミ
    20231101_清里自然歩道
    ツノハシバミ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ツノハシバミ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ツノハシバミ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ツノハシバミ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ツノハシバミ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ツノハシバミ
    20240918_箱根湿生花園
    ツノハシバミ
    20240918_箱根湿生花園
    ツノハシバミ
    20241121_環境省生物多様性センター
    ツノハシバミ
    20241121_環境省生物多様性センター
    ツノハシバミ
    20241121_環境省生物多様性センター
  • ミズメ

    基本情報

    • 学名:Betula grossa
    • 科名・属名:カバノキ科カバノキ属
    • 漢字名:水芽
    • 別名:アズサ/ヨグソミネバリ

    名前の由来

    • 樹皮や太い枝が傷つくと水のような樹液がしみ出る

    生育地

    • 日本固有種
    • 丘陵~山地

    樹形

    • 落葉高木

    樹皮

    • 灰褐色または暗褐色でなめらか。横長の皮目あり。サクラの樹皮に似ている。老木は裂けてはがれる

    • 葉序:今年のびた長枝で互生、2年枝から短枝で1対つく(カバノキ属)
    • 葉形:卵形、葉身長6~13cm
    • 葉縁:鋭重鋸歯
    • 葉脈:8~14対、表面で凹み、裏面に隆起
    • 葉質:裏面は脈上に毛あり
    • 葉柄:1~3.5cm

    • 花性: 雌雄同株/異花
    • 花序
      • 雄花序:枝先に垂れ下がる、長さ5~7cm
      • 雌花序:円柱形の短枝の先に直立、松かさ状
    • 花被:単花被花(花冠なし萼は雄花にあり)
      • 雄花:苞のわきに3ずつつく、花糸2裂
      • 雌花:苞のわきに3個ずつつく、苞のふちに白毛あり、花柱は紅色で2裂
    • 開花期:4月、葉の展開と同時
    • 送粉方法:風媒

    果実

    • 種類:堅果が集まった複合果
    • :果穂は長さ2~4cm、幅1.5cmほどの楕円形で上向き
    • 果鱗:長さ7~8mm、ふちに微細な毛あり、上部は3裂
    • 成熟期:10月

    種子

    • :堅果は3個、果鱗の内側につく
    • :堅果は長さ3mmほどの扁平な広倒卵形で、頂部に花柱が残り、両側に翼あり、翼の幅は本体の1/2以上
    • 散布方法:翼による風散布

    冬芽

    • 雄花序の冬芽は芽鱗がなく、裸出したまま冬を越す(カバノキ属)
    • 長さ6~8mmの卵形。先はとがる。芽鱗4個

    葉痕

    • :三角形~半円形
    • 維管束痕:3個?

    用途

    • :重硬で肌目が緻密で美しく、弾力性に富んで割れにくく、狂いが少なく、加工性がよいため、家具材など多方面に用いられる。昔は弓材にも用いた

    特記事項

    • 樹皮を傷つけるとサロメチール(サルチル酸メチル)のにおいあり

    参考

    • スタンダード版 APG牧野植物図:[1-1990]
    • 新牧野日本植物圖鑑:[123]
    • 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[1-148P]
    • 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[386P]
    • “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[下197]
    • 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[‐]
    • 「読む」植物図鑑:[5-48P]

    写真

    ミズメ
    20221112_高山・市民の森
    ミズメ
    20221112_高山・市民の森
    ミズメ
    20221112_高山・市民の森
    ミズメ
    20230502_高山・市民の森
    ミズメ
    20230502_高山・市民の森
    ミズメ
    20230502_高山・市民の森
    ミズメ
    20251029_寸又峡
    ミズメ
    20251029_寸又峡
    ミズメ
    20251029_寸又峡
    ミズメ
    20251029_寸又峡
  • ヤエガワカンバ

    基本情報

    • 学名:Betula davurica
    • 科名・属名:カバノキ科カバノキ属
    • 漢字名:八重皮樺
    • 別名:コオノオレ

    名前の由来

    • 「ヤエガワ(八重皮)」は、樹皮が幾重にもはがれる
      「カンバ(樺)」は、シラカンバ名前の由来参照

    生育地

    • 冷温帯/山地の日当たりのよりところ

    樹形

    • 落葉高木

    樹皮

    • 灰色を帯びた褐色または灰色。鱗片状に幾重にもはがれる

    • 葉序:今年のびた長枝で互生、2年枝から短枝で1対つく(カバノキ属)
    • 葉形:卵形~菱形状卵形、葉身長4~8cm
    • 葉縁:重鋸歯
    • 葉脈:6~8対
    • 葉質:裏面の脈沿いに毛、脈液に毛叢あり
    • 葉柄:0.5~2cm

    • 花性: 雌雄同株/異花
    • 花序
      • 雄花序:長枝の先に2~3個ずつ垂れ下がる
      • 雌花序:短枝の先に1個ずつ直立、松かさ状
    • 花被:単花被花(花冠なし萼は雄花にあり)
      • 雄花:苞のわきに3~6個?ずつつく、雄しべ2個、花糸は短く2裂
      • 雌花:苞のわきに3個ずつつく、花柱は紅色で2裂
    • 開花期:4~5月、葉の展開と同時
    • 送粉方法:風媒

    果実

    • 種類:堅果が集まった複合果
    • :果穂は長さ1.5~2.5cmの長楕円形
    • 果柄:長さ5~10mm、向きは一定しない
    • 果鱗:長さ6~7mm、上部は3裂
    • 成熟期:9~10月

    種子

    • :堅果は3個、果鱗の内側につく
    • :堅果は長さ約3mmの扁平な倒卵形で、頂部に花柱が残り、両側に膜質の翼あり、翼の幅は本体の1/2以上
    • 散布方法:翼による風散布

    冬芽

    • 雄花序の冬芽は芽鱗がなく、裸出したまま冬を越す(カバノキ属)
    • 長さ3~6mmの卵形。先はとがる。芽鱗3~4個

    葉痕

    • :半円形~三角形
    • 維管束痕:3個

    用途


    特記事項


    参考

    • スタンダード版 APG牧野植物図:[1-1988]
    • 新牧野日本植物圖鑑:[121]
    • 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[1-138P]
    • 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[391P]
    • “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[‐]
    • 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[‐]
    • 「読む」植物図鑑:[‐]

    写真

    ヤエガワカンバ
    20231101_清里自然歩道
    ヤエガワカンバ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ヤエガワカンバ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ヤエガカンバ
    20240603_清泉寮周辺自然歩道
    ヤエガカンバ
    20240603_清泉寮周辺自然歩道
    ヤエガカンバ
    20240603_清泉寮周辺自然歩道
  • ダケカンバ

    基本情報

    • 学名:Betula ermanii
    • 科名・属名:カバノキ科カバノキ属
    • 漢字名:岳樺
    • 別名:ソウシカンバ(草紙樺)

    名前の由来

    • 「ダケ(岳)」は、標高の高いところに生える
      「カンバ(樺)」は、シラカンバ名前の由来参照

    生育地

    • 本州では標高1000~3000mの高い山地(シラカンバは500~1000m)

    樹形

    • 落葉高木(森林限界付近では低木)

    樹皮

    • 赤褐色または灰白褐色。薄くはがれる

    • 葉序:今年のびた長枝で互生、2年枝から短枝で1対つく(カバノキ属)
    • 葉形:三角状広卵形、葉身長5~8cm、基部は心形
    • 葉縁:重鋸歯
    • 葉脈:7~15対
    • 葉柄:1~3cm

    • 花性: 雌雄同株/異花
    • 花序
      • 雄花序:長枝の先に1~数個ずつ垂れ下がる、長さ5~7cm、幅約8mm、黄褐色
      • 雌花序:短枝の先に1個ずつ直立、松かさ状
    • 花被:単花被花(花冠なし萼は雄花にあり)
      • 雄花:苞のわきに3個ずつつく、花被は3全裂、雄しべ3個、花糸2裂
      • 雌花:苞のわきに3個ずつつく、花柱は紅色で2裂
    • 開花期:5~6月、葉の展開と同時
    • 送粉方法:風媒

    果実

    • 種類:堅果が集まった複合果
    • :果穂は長さ2~4cm、幅約1cm、短い柄で上向きにつく
    • 果鱗:長さ6~8mm、上部は3裂
    • 成熟期:9~10月

    種子

    • :堅果は3個、果鱗の内側につく
    • :堅果は長さ2~3mm、幅2~3mmの扁平な広倒卵形で、頂部に花柱が残り、両側に膜質の翼あり、翼の幅は本体の1/2ほど
    • 散布方法:翼による風散布

    冬芽

    • 雄花序の冬芽は芽鱗がなく、裸出したまま冬を越す(カバノキ属)
    • 長さ7~12mmの長楕円形~紡錘形。先はとがる。芽鱗は紫褐色で4個

    葉痕

    • :半円形
    • 維管束痕:3個

    用途

    • :光沢がありかたく、家具、フローリング材、合板などに用いられる
    • 樹皮:カンバ類のはげる樹皮は、油が多く濡れていても燃えるため、焚き付け材料になる

    特記事項

    • 葉を維持できる期間が短い亜高山帯で生育できる理由
      • 葉が薄い→多くの光を吸収することができる
      • 葉の窒素濃度が高い→吸収した光を効率的に有機物に変換することができる
      • 根が細い→細い根は同じ重さなら太い根よりも表面積が多くなるため、窒素などの栄養吸収能力も高くなる
    • シラカンバとの違い

    参考

    • スタンダード版 APG牧野植物図:[1-1985]
    • 新牧野日本植物圖鑑:[118]
    • 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[1-134P]
    • 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[389P]
    • “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[下197]
    • 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[103P]
    • 「読む」植物図鑑:[‐]

    写真

    ダケカンバ
    20221013_しらびそ高原
    ダケカンバ
    20230717_八島湿原
    ダケカンバ
    20230717_八島湿原
    ダケカンバ
    20230817_宝永遊歩道
    ダケカンバ
    20230817_宝永遊歩道
    ダケカンバ
    20230817_宝永遊歩道
    ダケカンバ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ダケカンバ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ダケカンバ
    20240719_富士山太郎坊周辺

  • シラカンバ(シラカバ)

    基本情報

    • 学名:Betula platyphylla var. japonica
    • 科名・属名:カバノキ科カバノキ属
    • 漢字名:白樺

    名前の由来

    • 「シラ(白)」は、樹肌が白い
      「カンバ(樺)」は、カバノキ属の植物の総称カバノキの古名カニハが転訛した

    生育地

    • 日当たりのよい山地
    • 北海道では低地、本州では標高500~1000m地帯
    • 陽樹。山火事跡や崩壊地などの裸地に最も早く侵入する先駆樹種(パイオニアツリー)

    樹形

    • 落葉高木

    樹皮

    • 白色。薄くはがれる

    • 葉序:今年のびた長枝で互生、2年枝から短枝で1対つく(カバノキ属)
    • 葉形:三角状広卵形、葉身長6~9cm、基部は切形
    • 葉縁:重鋸歯
    • 葉脈:5~8対
    • 葉柄:1~3.5cm

    • 花性: 雌雄同株/異花
    • 花序
      • 雄花序:長枝の先に1~2個ずつ垂れ下がる、長さ3~5cm、幅4~7mm、暗紅黄色
      • 雌花序:短枝の先に1個ずつ直立、松かさ状
    • 花被:単花被花(花冠なし萼は雄花にあり)
      • 雄花:苞のわきに3個ずつつく、花被片は倒卵形で1個、花糸2裂
      • 雌花:苞のわきに3個ずつつく、花柱は紅色で2裂
    • 開花期:4月、葉の展開と同時
    • 送粉方法:風媒。北海道では花粉症の原因

    果実

    • 種類:堅果が集まった複合果
    • :果穂は長さ3~4.5cm、幅8~10mm、柄の長さ1~3cmで垂れ下がる
    • 果鱗:長さ4~5mm、上部は3裂
    • 成熟期:9~10月?

    種子

    • :堅果は3個、果鱗の内側につく
    • :堅果は長さ2~3mm、幅4~5mmの扁平な長楕円形で、頂部に花柱が残り、両側に半透明の翼あり、翼の幅は本体の1.5~2倍
    • 散布方法:果鱗と一緒に翼による風散布

    冬芽

    • 雄花序の冬芽は芽鱗がなく、裸出したまま冬を越す(カバノキ属)
    • 長さ5~10mmの長楕円形。先はとがる。芽鱗4~6個、樹脂を少しかぶる

    葉痕

    • :三角形~半円形
    • 維管束痕:3個

    用途

    • :白い樹皮には抗菌効果のある物質が含まれており、腐りにくいが、木部は腐りやすい
      • 樹皮:雨でもすぐに着火できる燃材。他、煙草入れや小刀の鞘、火縄、合わせ箱の縫合(ほうごう)、屋根葺などに用いられた
      • 木部:割箸、楊子など、低質材として用いられたが、最近は、合板用材として用いられる
    • 樹液:「森の雫」などの飲料になる

    特記事項

    • 「高原の白い貴公子」とよばれる
    • ダケカンバとの違い
    葉の側脈
    シラカンバ山形の黒い線の枝痕が入る5~8対
    ダケカンバ7~15対

    参考

    • スタンダード版 APG牧野植物図:[1-1984]
    • 新牧野日本植物圖鑑:[117]
    • 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[1-128P]
    • 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[388P]
    • “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[下197]
    • 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[103P]
    • 「読む」植物図鑑:[‐]

    写真

    シラカンバ
    20221012_しらびそ高原
    シラカンバ
    20230717_八島湿原
    シラカンバ
    20230717_八島湿原
  • ヤハズハンノキ

    基本情報

    • 学名:Alnus matsumurae
    • 科名・属名:カバノキ科ハンノキ属
    • 漢字名:矢筈榛の木

    名前の由来

    • 「ヤハズ(矢筈)」は、葉の先端のちぎったように凹んだ形を矢筈に見立てた
      「ハンノキ(榛の木)」は、ハンノキ名前の由来参照

    生育地

    • 日本固有種
    • 山地の上部から亜高山帯。多雪地帯の崩壊地や沢沿いに多い

    樹形

    • 落葉高木

    樹皮

    • 灰黒色。なめらかで、横長の皮目が多い

    • 葉序:互生
    • 葉形:広卵形、葉身長5~10cm。先は深く凹む
    • 葉縁:不ぞろいの浅い重鋸歯
    • 葉脈:側脈6~9対、裏面で隆起
    • 葉柄:1.5~3cm

    • 花性: 雌雄同株/異花
    • 花序
      • 雄花序:枝先に1~2個垂れ下がる、有柄
      • 雌花序:雄花序の下方に2~5個総状に集まってつく
    • 花被:単花被花(花冠なし雄花に萼のみ)
      • 雄花:苞のわきに3個つく
      • 雌花:苞のわきに2個つく。花柱は紅色で2裂
    • 開花期:4~5月、葉の展開前
    • 送粉方法:風媒

    果実

    • 種類:堅果が集まった複合果
    • :果穂は長さ1.5~2cmの楕円形
    • 果鱗:長さ4~5mmの扇形
    • 成熟期:10月?

    種子

    • :堅果は2個、果鱗の内側につく
    • :堅果は長さ3mmほどの扁平な広楕円形、頂部に花柱が残り、両側に幅約0.5mmの翼あり
    • 散布方法:翼による風散布、堅果は風に飛ばされるが、果鱗は果軸に残る

    冬芽

    • 鱗芽
    • 広卵形~楕円状卵形で先はややまるい。比較的太くて短い柄あり、柄も含めて長さ1.2~1.5cm
    • ヤシャブシ類との違い

    葉痕

    • :三角形
    • 維管束痕:3個

    用途


    特記事項

    • ハンノキ属の根粒菌(放線菌)による窒素固定

    参考

    • スタンダード版 APG牧野植物図:[1-1997]
    • 新牧野日本植物圖鑑:[130]
    • 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[1-174P]
    • 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[397P]
    • “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[下196]
    • 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[‐]
    • 「読む」植物図鑑:[‐]

    写真

    ヤハズハンノキ
    20230817_富士山七曲り駐車場付近
    ヤハズハンノキ
    20230817_富士山七曲り駐車場付近
    ヤハズハンノキ
    20230817_富士山七曲り駐車場付近
  • ミヤマハンノキ

    基本情報

    • 学名:Alnus maximowiczii
    • 科名・属名:カバノキ科ハンノキ属
    • 漢字名:深山榛の木

    名前の由来

    • 山に生える「ハンノキ」
      「ハンノキ(榛の木)」は、ハンノキ名前の由来参照

    生育地

    • 本州では亜高山帯から高山帯

    樹形

    • 落葉低木~高木(森林限界付近では低木)

    樹皮

    • 暗褐色でざらつき、皮目が多い

    • 葉序:互生
    • 葉形:広卵形、葉身長5~10cm
    • 葉縁:細重鋸歯
    • 葉脈:側脈8~12対、裏面で隆起
    • 葉質:裏面は脈液に褐色の毛叢あり。若葉は粘液が出て、粘りとにおいあり(ヤシャブシ類の特徴)
    • 葉柄:1~3cm

    • 花性: 雌雄同株/異花
    • 花序
      • 雄花序:枝先に2~3個垂れ下がる、長さ4~5cm
      • 雌花序:短い柄があり、雄花序の下方に2~数個直立
    • 花被:単花被花(花冠なし雄花に萼のみ)
      • 雄花:苞のわきに3個つく
      • 雌花:苞のわきに2個つく。花柱は紅色で2裂
    • 開花期:5~7月、葉の展開と同時
    • 送粉方法:風媒

    果実

    • 種類:堅果が集まった複合果
    • :果穂は長さ1~1.5cmの広楕円形
    • 果鱗:長さ4~5mmの扇形
    • 成熟期:10~11月

    種子

    • :堅果は2個、果鱗の内側につく
    • :堅果は長さ約3mmの長楕円形、頂部に花柱が残り、両側に幅約1.3mmの翼あり
    • 散布方法:翼による風散布、堅果は風に飛ばされるが、果鱗は果軸に残る

    冬芽

    • 鱗芽
    • 長さ1~1.5cmの長卵形。芽鱗は2個。表面は粘る。ヤシャブシの仲間のため、先はとがり、柄はない

    葉痕

    • :三角形
    • 維管束痕:3個

    用途


    特記事項

    • 葉形がハンノキ類に似ているのでハンノキの名がついているが、ヤシャブシの仲間
    • ハンノキ属の根粒菌(放線菌)による窒素固定

    参考

    • スタンダード版 APG牧野植物図:[1-2000]
    • 新牧野日本植物圖鑑:[133]
    • 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[1-164P]
    • 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[395P]
    • “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[下195]
    • 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[‐]
    • 「読む」植物図鑑:[‐]

    写真

    ミヤマハンノキ
    20230817_富士山五合目付近
    ミヤマハンノキ
    20230817_富士山五合目付近
    ミヤマハンノキ
    20230817_富士山五合目付近
    ミヤマハンノキ
    20230817_富士山五合目付近
  • ヤマハンノキ

    基本情報

    • 学名:Alnus hirsuta var. sibirica
    • 科名・属名:カバノキ科ハンノキ属
    • 漢字名:山榛の木

    名前の由来

    • 山に生える「ハンノキ」
      「ハンノキ(榛の木)」は、ハンノキ名前の由来参照

    生育地

    • 丘陵の上部から山地。川岸や渓流沿いに多い

    樹形

    • 落葉高木

    樹皮

    • 紫褐色。なめらかで、灰色の横長の皮目が目立つ

    • 葉序:互生
    • 葉形:広卵形、葉身長8~15cm
    • 葉縁:山形の重鋸歯
    • 葉脈:側脈6~8対、裏面で隆起。葉脈のしわが目立つ
    • 葉質:裏面は脈液に少し毛がある以外は無毛。ケヤマハンノキは、全体に開出毛があり、脈上に多い
    • 葉柄:1.5~4cm

    • 花性: 雌雄同株/異花
    • 花序
      • 雄花序:枝先に2~4個垂れ下がる、有柄で長さ7~9cm
      • 雌花序:雄花序の下方につく
    • 花被:単花被花(花冠なし雄花に萼のみ)
      • 雄花:苞のわきに3個つく
      • 雌花:苞のわきに2個つく。花柱は紅色で2裂
    • 開花期:4月、葉の展開前
    • 送粉方法:風媒

    果実

    • 種類:堅果が集まった複合果
    • :果穂は長さ1.5~2.5cmの楕円形
    • 果鱗:長さ4~5mmの扇形で黒褐色
    • 成熟期:10月?

    種子

    • :堅果は2個、果鱗の内側につく
    • :堅果は長さ3~3.5mmの扁平な長楕円形、頂部に花柱が残り、両側に幅約0.5mmの翼あり
    • 散布方法:翼による風散布、堅果は風に飛ばされるが、果鱗は果軸に残る

    冬芽

    • 鱗芽
    • 長卵形で先はまるく、柄がある。柄を含めて長さ1~1.8cm
    • ヤシャブシ類との違い

    葉痕

    • :三角形
    • 維管束痕:3個

    用途


    特記事項

    • 枝葉や冬芽などの毛が多い「ケヤマハンノキ(毛山榛の木) var. hirsuta」の変種
    • ハンノキ属の根粒菌(放線菌)による窒素固定

    参考

    • スタンダード版 APG牧野植物図:[1-1996]
    • 新牧野日本植物圖鑑:[129]
    • 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[1-170P]
    • 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[394P]
    • “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[下196]
    • 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[‐]
    • 「読む」植物図鑑:[‐]

    写真

    ケヤマハンノキ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ケヤマハンノキ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ケヤマハンノキ
    20240527_清泉寮周辺自然歩道
    ヤマハンノキ
    20240603_清泉寮周辺自然歩道
    ヤマハンノキ
    20240603_清泉寮周辺自然歩道
    ヤマハンノキ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ヤマハンノキ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ヤマハンノキ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ヤマハンノキ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ヤマハンノキ
    20251029_寸又峡
    ヤマハンノキ
    20251029_寸又峡
    ヤマハンノキ
    20251029_寸又峡
    ヤマハンノキ
    20251029_寸又峡
  • ハンノキ

    基本情報

    • 学名:Alnus japonica
    • 科名・属名:カバノキ科ハンノキ属
    • 漢字名:榛の木
    • 別名:ハリノキ

    名前の由来

    • 古名の「榛(はり)の木」が転化した。「榛(はり)」は、開墾を意味する古語「墾(はり)」に由来する説あり

    生育地

    • 低地の湿地や水辺など

    樹形

    • 落葉高木

    樹皮

    • 紫褐色。不規則に浅く裂けてはがれる

    • 葉序:互生
    • 葉形:卵状長楕円形、葉身長6~13cm
    • 葉縁:目立たない不ぞろいの浅い鋸歯
    • 葉脈:側脈6~9対、裏面で隆起
    • 葉質:表面は無毛。裏面は脈液に赤褐色の毛あり
    • 葉柄:1.5~3.5cm

    • 花性: 雌雄同株/異花
    • 花序
      • 雄花序:枝先に2~5個垂れ下がる、有柄で長さ4~7cm
      • 雌花序:雄花序の下方に1~5個つく、有柄で長さ3~4mm
    • 花被:単花被花(花冠なし雄花に萼のみ)
      • 雄花:苞のわきに3個つく
      • 雌花:苞のわきに2個つく。花柱は紅色で2裂
    • 開花期:4月(寒地) 11月(暖地) 、1~3月(冬から早春)の記事もあり、葉の展開前
    • 送粉方法:風媒

    果実

    • 種類:堅果が集まった複合果
    • :果穂は長さ1.5~2cmの卵状楕円形
    • 果鱗:長さ5~6mmの扇形
    • 成熟期:10月

    種子

    • :堅果は2個、果鱗の内側につく
    • :堅果は長さ3~4mm、頂部に花柱が残り、翼はほとんどない
    • 散布方法:翼による風散布、堅果は風に飛ばされるが、果鱗は果軸に残る

    冬芽

    • 鱗芽
    • 葉芽:長さ3~8mmの長楕円形。長さ4~6mmの柄あり
    • 雄花序と雄花序:芽鱗に包まれず、裸出したまま冬を越す
    • ヤシャブシ類との違い

    葉痕

    • :円~半円形
    • 維管束痕:3個

    用途

    • 果穂:タンニンを含み、茶色染料として用いた
    • :かたく、器具や薪炭に用いた

    特記事項

    • 幼虫が葉を食べるミドリシジミの食樹
    • ハンノキ属の根粒菌(放線菌)による窒素固定
      • ハンノキ属の樹木は、葉から窒素などを回収せずに落葉するために、落ち葉は、黄葉や紅葉せずに緑色のまま。その結果、土壌中に窒素を提供する「肥料木」となる。
        根に「根粒菌(細菌の一種)」が寄生して根粒を形成している。根粒菌は、根粒内部で空気中の窒素を植物が利用できる窒素化合物(アンモニア)に変換(窒素固定)している。根粒菌により大気中の窒素を吸収することができるため、落葉時に窒素などを回収する必要がない。植物側からは、光合成生産物の糖などを根粒菌に提供し、相利共生関係が成立している

    参考

    • スタンダード版 APG牧野植物図:[1-1994]
    • 新牧野日本植物圖鑑:[127]
    • 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[1-166P]
    • 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[392P]
    • “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[下196]
    • 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[102P]
    • 「読む」植物図鑑:[2-31P]

    写真

    ハンノキ
    20240911_箱根湿生花園
    ハンノキ
    20240911_箱根湿生花園
    ハンノキ
    20240911_箱根湿生花園
    ハンノキ
    20240911_箱根湿生花園
    ハンノキ
    20240911_箱根湿生花園
    ハンノキ
    20240911_箱根湿生花園
  • サワシバ

    基本情報

    • 学名:Carpinus cordata
    • 科名・属名:カバノキ科クマシデ属
    • 漢字名:沢柴
    • 別名:サワシデ

    名前の由来

    • 沢に多く生え、柴(大きくない雑木やその枝)として利用された

    生育地

    • 山地の沢沿いなど

    樹形

    • 落葉高木

    樹皮

    • 淡緑灰褐色。はじめはなめらか。老木になると菱形の浅い裂け目が入る

    • 葉序:互生
    • 葉形:広卵形、葉身長6~15cm、基部は深い心形
    • 葉縁:細重鋸歯
    • 葉脈:15~24対、裏面に突出、クマシデと異なり基部の側脈は縁に向かって分枝する
    • 葉質:裏面は脈上に長毛あり
    • 葉柄:1~2.5cm

    • 花性: 雌雄同株/異花
    • 花序
      • 雄花序:前年枝に垂れ下がる、長さ5cm
      • 雌花序:本年枝の先端あるいは短枝の腋から垂れ下がる
    • 花被:単花被花(花冠なし雌花に極めて退化した萼あり)
      • 雄花:黄緑色の苞の下に1個ずつつく、苞は卵状楕円形で、ふちに長毛あり。雄しべ4~8個
      • 雌花:苞の内側に2個ずつつく、苞は卵状披針形で、ふちに長毛あり。基部に小苞があり、花のあと大きくなり、葉状の果苞になる
    • 開花期:4~5月、葉の展開と同時
    • 送粉方法:風媒

    果実

    • 種類:堅果が集まった複合果
    • :果穂は長さ4~15cm、葉状の果苞が密生。果苞は長さ1.8~2.5cm、ふちに不ぞろいな鋭鋸歯あり、基部に堅果を1個抱く
    • 成熟期:8~10月

    種子

    • :堅果は1個
    • :堅果は長さ約5mmの扁平な卵状楕円形。表面に10~12個の縦の筋あり
    • 散布方法:果苞による風散布

    冬芽

    • 鱗芽
    • 長さ7~14mmの紡錘形。芽鱗は20~26個。上から見るとクマシデより角ばっていて四角く見える

    葉痕

    • :半円形
    • 維管束痕

    用途


    特記事項

    • クマシデ属の葉と果穂の違い

    参考

    • スタンダード版 APG牧野植物図:[1-1979]
    • 新牧野日本植物圖鑑:[112]
    • 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[1-190P]
    • 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[403P]
    • “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[下198]
    • 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[100P]
    • 「読む」植物図鑑:[‐]

    写真

    サワシバ
    20240428_高山・市民の森
    サワシバ
    20240428_高山・市民の森
    サワシバ
    20240428_高山・市民の森
    サワシバ
    20240504_高山・市民の森
    サワシバ
    20240504_高山・市民の森
    サワシバ
    20240504_高山・市民の森