スイカズラ科タニウツギ属
漢字:藪空木
名前の由来:
「ヤブ(藪)」は、枝が密生してやぶ状になる。
「ウツギ(空木)」は、ウツギの名前の由来参照。枝の髄は白く充実している。
樹形:落葉低木
葉:対生
花:両性花、濃~暗紅色
花期:5~6月
果実:蒴果、裂開すると有翼の細小な種子を出す
果期:11月頃
備考:
日本固有種。
枝や花冠、果実に毛が多い。
タグ: スイカズラ科
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ヤブウツギ Weigela floribunda
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ハコネウツギ Weigela coraeensis
スイカズラ科タニウツギ属
漢字:箱根空木
名前の由来:箱根に生え、枝が空洞であることかららしいが、箱根の山中には生えておらず(低地には生えている)、枝の髄は白く充実している。
樹形:落葉低木
葉:対生
花:両性花、白色→紅色
花期:5~6月
果実:蒴果
果期:11月頃
備考:
日本固有種。
花は白から、(アントシアニンが合成されて)赤に変わる。
花色の変化は、虫に花の熟度を知らせるサインになる。
白(フラボン色素)は紫外線を吸収し、紫外色を見ることができるハチの目には目立つ色。ハチは花の色(白/赤)を学習して効率的に蜜を吸い、花はハチに未受粉の花を集中的に巡回させる相利関係が成立している。
<ニシキウツギとの違い>花冠 葉裏の主脈 ハコネウツギ 花筒下部で急に角ばり細くなる ほとんど無毛 ニシキウツギ 花筒下部で徐々に細くなる 白い伏毛が密生 -
タニウツギ Weigela hortensis
スイカズラ科タニウツギ属
漢字:谷空木
名前の由来:
「タニ(谷)」は、谷間に多く生える。
「ウツギ(空木)」は、ウツギの名前の由来参照。枝の髄は白く充実している。
樹形:落葉低木
葉:対生
花:両性花、散房花序、淡紅色
花期:5~6月
果実:蒴果
果期:10月頃
備考:葉裏の脈の両側に白い毛が密生する。 -
スイカズラ Lonicera japonica
スイカズラ科スカイズラ属
漢字:吸葛
別名:忍冬(にんどう)、金銀花(きんぎんか)
名前の由来:
「スイ(吸)」は、花筒の奥にある甘い蜜を味わうために花冠を引き抜いて「吸う」行為とする説や、
花弁の形が人がものを吸い込むときの唇の形に似ている説あり。
「カズラ(葛)」は、つるを表す。
「忍冬(にんどう)」は、暖地では冬に落葉せず、葉を内側に丸めて耐え忍んでいるように見える。生薬名でもあり、葉茎を乾燥したもので、痔や腰痛、腫物の薬とした。
「金銀花(きんぎんか)」は、花色が白色から黄色へ変わり、それらが混ざって咲く様子による。生薬名でもあり、花を乾燥したもので、関節痛や解熱の薬とした。
樹形:蔓性半落葉(半常緑)木本、左巻き(ネジと同一方向として)
葉:対生
花:両性花、白色→黄色
花期:5~7月
果実:液果、黒色
果期:9~12月
備考:
白い花は甘い芳香あり。白は闇に浮き立つ色で夜咲く。芳香は昼間より夜のほうが強くなる。花粉を媒介するスズメガを誘うためとされる。
株元に近いところ(”若い茎”の記述もあり)の葉は羽状に切れ込むことがある。 -
オミナエシ Patrinia scabiosifolia
スイカズラ科オミナエシ属
漢字:女郎花
名前の由来:
オミナは「美しい女」、エシが古語の「へし(圧)」を意味し、美女を圧倒する美しさから説、
こんもりと咲く花を優しい味の粟(あわ)ごはんに見立て、「女飯(おんなめし)」が転訛した説など諸説あり。
「女郎花」は、オミナエシよりも日陰に強くて全体に毛が多く、花が白い「オトコエシ(男郎花)」に対比して弱々しい説あり。
葉:対生
花:集散花序、黄色
花期:7~9月
果実:瘦果
習性:多年草
備考:
秋の七草の一つ。
全草から独特の香りを放つ。特に「敗醤根(はいしょうこん)」と呼ばれる根は、乾燥時に腐った醤油の臭いを放ち、生薬として、解熱や消炎、浄血、排膿などに用いる。 -
オトコエシ Patrinia villosa
スイカズラ科オミナエシ属
漢字:男郎花
名前の由来:オミナエシより強剛なので、男性に見立てた。
葉:対生
花:散房花序、白色
花期:8~10月
果実:瘦果、小苞葉が大きくなってうちわのような翼になる
習性:多年草 -
ウグイスカグラ Lonicera gracilipes var. glabra
スイカズラ科スカイズラ属
漢字:鶯神楽
名前の由来:
ウグイスに関係があるらしいが諸説あり。
ウグイスが隠れる木を意味するウグイスカクレが由来説、
果実をついばみに来たウグイスが、細かい枝の中を上下左右に動く姿を神楽に見立てた「鶯神楽」説、
ウグイスが鳴き始めるころに花が咲くことと、小鳥を捕まえる場所を意味する「狩り座(ぐら)」を結び付けて「鶯狩り座」が転訛した説など。
樹形:落葉低木
葉:対生
花:両性花、下垂、淡紅色
花期:4~5月
果実:液果、緑色→赤色
果期:6月
備考:
日本固有種。
液果は甘味があり食べられる。ジャムや果実酒にもなる。
若い枝は赤褐色を帯びて、よく枝分かれして茂る。
途長枝(とちょうし)の葉の基部にはつば状の托葉があり、左右が合着している。
本種は全体無毛だが、葉や花にまばらに毛が生えるものは「ヤマウグイスカグラ」、枝や葉、萼、花に腺毛があるものは「ミヤマウグイスカグラ」。