ミズキ科ミズキ属
漢字:山茱萸
別名:ハルコガネバナ(春小金花)
名前の由来:
漢名(山茱萸)の音読み。
「ハルコガネバナ」は、春に黄色い花が咲く(牧野)。
樹形:落葉小高木
葉:対生
花:両性花、散形花序、淡黄色、花序の基部に総苞片が4個あり
花期:3~4月
果実:核果、赤色
果期:9~11月
備考:
中国・朝鮮半島原産。江戸時代に薬用植物として渡来。
葉裏の脈液に褐色の毛叢あり。
樹皮は灰褐色で不規則に剥がれ落ちる。
果実は、少し渋く酸っぱく、民間では果実酒として、乾燥させたものは、生薬「山茱萸」として、疲労回復や滋養強壮に用いる。
タグ: ミズキ科
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サンシュユ Cornus officinalis
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ヤマボウシ Cornus kousa
ミズキ科ミズキ属
漢字:山法師
名前の由来:複合果を(比叡山の)僧兵の頭、白い総苞片を白頭巾に見立てた。
樹形:落葉高木
葉:対生
花:両性花、頭状花、淡黄緑色
花期:5~7月
果実:核果が集まった複合果、紅色
果期:9~10月
備考:
4枚の大きな白色の総苞片(つぼみのとき花序を保護するために囲んでいた苞葉)。中心部に20~30個の小さな花が球状に集まっている。
葉の4~5対ある側脈の走り方はミズキと同じように、わん曲して先端に向かい、葉縁に届かない。
葉裏の脈液に褐色の毛叢あり。
果実は秋に果肉が紅色に熟して甘くなり食べられる。山ではサルなどのフルーツ好きの動物が食べて種子を散布する(鳥には大きすぎる)。
材は重硬で割れにくく、槌や農機具の柄、かんな台、撞木(しゅもく)、水車の歯車、餅つきの杵(きね)材に用いた。
<ハナミズキ(アメリカヤマボウシ)との違い>総苞片の先端 果実 ヤマボウシ 尖る 核果が集まった複合果 ハナミズキ 窪む 核果(単果) <総苞片の先端が異なる理由>
ヤマボウシ:
総苞に包まれた蕾は、早春につくられるので、蕾の先端は寒さの影響がなく、そのまま尖っている。
ハナミズキ:
総苞に包まれた蕾は、前年の秋につくられて冬を越す。冬の寒さで蕾の先端の細胞が壊れてしまい、春に総苞片が開くと、その先に茶色の傷が残って、先がくびれる。 -
ミズキ Cornus controversa
ミズキ科ミズキ属
漢字:水木
名前の由来:春先に枝を切ると樹液/水が滴り落ちる。
樹形:落葉高木
葉:互生、枝先に集まってつく(葉が重ならない)
花:両性花、散房花序、白色
花期:5~6月
果実:核果、緑色→赤色→紫黒色
果期:6~10月
備考:
葉の6~8本の側脈は、裏面に隆起し、湾曲して先端に向かうが、葉縁には届かない。
葉をそっとちぎると、維管束の一部の白い糸が出てくる。
材は重硬・緻密で加工性がよく、漆器木地や杓子、寄木細工、こけしに用いられる。
白い花が平たく集まっていて、甲虫(ハナカミキリやハナムグリなど)が停まりやすくなっている。
<仮軸分岐(かじくぶんし)>
枝が車輪状に仮軸分岐して水平に張るため、階段状の樹形になる。
主軸が短枝化し、代わって側枝が伸長することをくり返す。
<クマノミズキとの違い>葉と枝 葉柄 花 冬芽 ミズキ 互生 長いものがまじる 5月頃白い花が咲く 数枚の芽鱗に包まれやや丸みがある クマノミズキ 対生
葉はミズキよりやや大きく細長い同じ長さ 6月頃黄白色の花が咲く 2枚の芽鱗に包まれ尖っており黒褐色 -
クマノミズキ Cornus macrophylla