ツツジ科ツツジ属
漢字:蓮華躑躅
名前の由来:
「レンゲ(蓮華)」は、花芽に10個近くの花が着き、蕾の時の状態が蓮華に似ている。
「ツツジ(躑躅)」は、ヤマツツジの名前の由来参照。
樹形:落葉低木
葉:互生
花:両性花、朱橙色(上面に斑点あり)
花期:5~7月下旬
果実:蒴果
果期:10~11月
備考:
日本固有種。
葉、花、根皮は有毒。
ツツジについては、ヤマツツジの備考参照。
タグ: ツツジ科
-
ヤマツツジ Rhododendron kaempferi
ツツジ科ツツジ属
漢字:山躑躅
名前の由来:
山に生える「ツツジ」。
「ツツジ(躑躅)」は、たくさんの花が咲く様子から「続き咲き(ツヅキサキ)」が転訛した説、
花の筒形で長いオシベが出ていることから「筒咲」が転訛した説など諸説あり。
漢字の「躑躅」は「てきちょく」と読み、「足踏みをする」「たたずむ」「ためらう」「立ち止まる」意味。
この字がツツジにあてられたのは、中国で毒性のあるシナレンゲツツジの葉を羊が食べて足ぶみしてもがいたり、毒であることを知っている羊はシナレンゲツツジを見ると足踏みして進まなくなることに由来している説や、人が足を止めて見とれてしまうような美しさだからという説あり。
樹形:半落葉低木
葉:互生、枝先に集まってつく
花:両性花、朱色(上面に濃紅色の斑点あり)
花期:4~5月
果実:蒴果
果期:8~10月
備考:
<ほのかに甘い蜜>
ツツジのロート形の花びらを抜いて根本を舐めるとほのかに甘い味がする。ただし、レンゲツツジ及びキレンゲツツジは毒があるので注意が必要。
<蝶をターゲット>
ツツジの花は、花冠の上の裂片に蜜標あり。
雌しべも雄しべも少し上向きに湾曲している。蝶をターゲットにしたもの。蝶が飛来した時、雌しべが最も長いため、蝶の体に着いている他の花の花粉がつく。花に近づくと、雄しべの先から花粉がずるずると引き出され新たに体につく。
<半落葉(半常緑)>
春出る葉は秋には落葉し、夏~秋に出る葉も翌年の春には新しい葉が出ると落葉し、1枚の葉が1年間着いていない。
ヤマツツジ節はすべて半落葉。ミツバツツジやレンゲツツジは落葉。
<ツツジ型菌根(エリコイド菌根)>
ツツジ類やシャクナゲなどは、多量の鉄分等を要求するため酸性土壌を好む。このために根に菌根を形成する。酸性土壌で植物に害作用を示す重金属類の吸収を抑制するため、ツツジ類が岩場や泥炭、火山灰など酸性条件下で生育できる。 -
モチツツジ Rhododendron macrosepalum
ツツジ科ツツジ属
漢字:黐躑躅
名前の由来:
「モチ(黐)」は、萼、新芽、花柄、子房などに生えた腺毛が鳥もちのように粘る。
腺毛:植物の表皮に生じる突起状の毛で特殊な液体を分泌する。
「ツツジ(躑躅)」は、ヤマツツジの名前の由来参照。
樹形:半落葉低木
葉:互生
花:両性花、淡紅紫色
花期:4~6月
果実:蒴果
果期:8~10月
備考:
ツツジについては、ヤマツツジの備考参照。
春に出る葉は広楕円形で少し大きく、夏に出る葉は春より小さい狭楕円形。秋には紅葉するが、多くの葉は落葉せず越冬する半落葉。
<モチツツジカスミカメ>
一般の小昆虫類は本種の粘液に捕らえられるが、モチツツジカスミカメ(体長4.5mm程)はその腺毛上を自由に歩き回ることができ、動けなくなった昆虫類の体液を吸う。 -
ホツツジ Elliottia paniculata
ツツジ科ホツツジ属
漢字:穂躑躅
別名:マツノキハダ(松の木肌)/ヤマワラ(山藁)/ヤマボウキ(山箒)
名前の由来:
花が穂になってつく「ツツジ」。
「ツツジ(躑躅)」は、ヤマツツジの名前の由来参照。
「マツノキハダ(松の木肌)」は、樹皮がマツの肌に似ている。
「ヤマワラ(山藁)」は、枝から蓑をつくった。
「ヤマボウキ(山箒)」は、枝から箒をつくった。
樹形:落葉低木
葉:互生、枝先に集まる
花:両性花、円錐花序、直立、淡紅色を帯びた白色
花期:7~9月
果実:蒴果、果柄は上向きに曲がる、果実と残存する萼の間に1mm程度の柄あり
果期:10~11月
備考:
日本固有種。
花の蜜は有毒。 -
ネジキ Lyonia ovalifolia var. elliptica
ツツジ科ネジキ属
漢字:捩木
名前の由来:生長するにしたがって幹が捩じれる。幹の縦筋が捩じれていることでわかる。
樹形:落葉小高木
葉:互生
花:両性花、総状花序、白色
花期:5~7月
果実:蒴果
果期:9~10月
備考:
日本固有種。
乾燥地に多く生える。
葉縁は波打つ。
葉裏の脈上に白い毛があり、若枝は紅色で艶あり。
下垂する壺形の花を咲かせるが、花が散ると花柄は上向きに反転し、果実は上向きに熟す。
材は堅く、櫛や傘の柄、製糸用鼓車(こしゃ)などに用いた。
枝葉は有毒で、蛆(うじ)殺しなどに用いた。 -
ドウダンツツジ Enkianthus perulatus
ツツジ科ドウダンツツジ属
漢字:灯台躑躅/満天星躑躅
名前の由来:
「ドウダン(灯台)」は、花の枝分かれの様子が昔の灯火を支えた結び灯台(3本の棒を結び、上に油皿を置いて灯火をともす道具)の形に似ている。
「ツツジ(躑躅)」は、ヤマツツジの名前の由来参照。
樹形:落葉低木
葉:互生、枝先に集まる
花:両性花、下垂する散形花序、白色
花期:4~5月
果実:蒴果
果期:8~10月
備考:果穂は下垂するが、果実は上を向く。