マメ科クズ属
漢字:葛
名前の由来:大和国吉野郡(奈良県吉野地方)「国栖(くす)」が葛粉の産地であった(葛粉は根からとったでんぷん)。
樹形:蔓性落葉木本、左巻き(ネジと同一方向として)
葉:互生、3出複葉、裏に白い毛が密生
花:穂状花序、蝶形花、赤紫色、虫媒花
花期:7~9月
果実:豆果、線形(長さ5~10cm)、褐色の毛に覆われる、自発散布
果期:10~12月
備考:[1-1611][1397][野374P][216P][上132][1-222P]
秋の七草のひとつ。
葛粉(くずこ)は水菓子やくず餅、京菓子、胡麻豆腐に加工されるほか、風邪などに葛湯(くずゆ)として用いる。
根は肥大しでんぷんを多く含む。生薬の葛根(かっこん)と呼ばれ、発汗や解熱作用があり、風邪薬として用いる。
葉はタンパク質が多く家畜飼料に優れる。
成長が早く土砂流芒を防ぎ、空気中の窒素を固定し土壌を肥沃化する。
最近は、造林地の厄介者、野原にはびこる雑草として問題になっている。
<日傘運動>
日差しが強くなと、側葉が葉裏を外にして向かい合って垂直に立ち上がり、その間に頂葉が垂れ下がって入る。強い日差しと水分の蒸散を避ける仕組み。
タグ: マメ科
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クズ Pueraria lobata
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ハリエンジュ(ニセアカシア) Robinia pseudoacacia
マメ科ハリエンジュ属
漢字:針槐
別名:ニセアカシア
名前の由来:
エンジュに似て「針」がある。
「エンジュ(槐)」は、イヌエンジュの名前の由来参照。
「ニセアカシア」は、種小名「pseudoacacia」の直訳「偽のアカシア」。
樹形:落葉高木
葉:互生、奇数羽状複葉
花:両性花、総状花序、蝶形花、白色、芳香あり
花期:5~6月
果実:豆果
果期:10月頃
備考:
北アメリカ原産。
托葉が変化した鋭いとげあり。
隠芽(葉痕に隠れていて外から見えない芽)。
蜜が豊富で重要な蜜源とされる。
材は堅く強靭だが割れやすい。加工、乾燥は困難だが、耐久性が強いため、枕木や杭木に適している。
マメ科植物の特性である根粒菌との共生により窒素固定できるため、痩せた土壌でもよく生育する。このため、崩壊地などの山腹の緑化に植えられ、治山工事などの行われた周辺に野生化している。 -
フジ Wisteria floribunda
マメ科フジ属
漢字:藤
別名:ノダフジ(野田藤)
名前の由来:花びらが風に吹かれ舞い散る様子から「吹き散る」が転訛したなど諸説あり。
樹形:蔓性落葉木本、左巻き(ネジと同一方向として)
葉:互生、奇数羽状複葉
花:両性花、総状花序、蝶形花、紫色、下垂、芳香あり
花期:5月
果実:豆果、熟すと2裂し種子をはじき飛ばす、種子は茶褐色
果期:10~12月
備考:
種子は、昔、おはじきに使った。
種子は、炒って食べると美味しいが、下剤にもなるので食べすぎに注意。
古い茎や枝にこぶ状の「藤瘤(ふじこぶ)」ができ、粉末にしたものは、胃がんの制癌剤に用いる。 -
ネムノキ Albizia julibrissin
マメ科ネムノキ属
漢字:合歓木
名前の由来:
暗くなると小葉群が葉をたたんで垂れ下がり、眠るように見える就眠運動(備考参照)をする。
「合歓木」は、「歓びが合わさるのでめでたい木」という中国名「合歓(ごうかん)」に由来。
樹形:落葉高木
葉:互生、2回偶数羽状複葉
花:両性花、頭状花序、淡紅色
花期:6~7月
果実:豆果、褐色
果期:10~12月
備考:
10本の雄しべは、花糸が3cm以上の長さがあり、上半分が淡紅色で目立つ。
小葉の葉脈の位置が真ん中でなく偏っている。
花は暗くなると咲いて夜行性の蛾を集め、翌日にしぼむ。
冬芽は「隠芽(いんが)」で、葉痕に隠れていて見えない。
生薬で樹皮を乾燥させたものを「合歓皮(ごうかんひ)」、花と蕾を「合歓花(ごうかんか)」と呼び、強壮、鎮痛、利尿、駆虫薬、打撲、捻挫などに用いる。
若芽は茹でて食用にされた。
材は加工が容易なため、器具材や桶、屋根板に用いた。
地震を予知する働きがあるといわれる。根の先端の生長点が地震の前に起こる地層の歪みによって発生する電流を感じて、ネムノキの生体電位が変化する。
<就眠運動>
1日の中で葉が開閉したり、上下に動いたりすること。
葉のつけ根にある小葉沈が蝶番(ちょうつがい)の役割をするためで、昼間は水分をたくさん含んで葉が広がり、夜には水分が欠乏して葉が閉じるという細胞の膨圧変化による。
<雄性先熟>
最初に雄しべが立つ、雌しべは垂れた状態、その後、雌しべが立ち上がり、雄しべが垂れ下がってくる。自家受粉を避ける仕組み。 -
ヌスビトハギ Desmodium podocarpum ssp. oxyphyllum var. japonicum
マメ科ヌスビトハギ属
漢字:盗人萩
名前の由来:
「ヌスビト(盗人)」は、半円形の果実の形が、盗みをする人が足の裏の縁だけを地面につけて忍び足で歩く足跡に似ている説、
盗みに入ったが、知らぬうちに衣類に果実を貼りつけて帰る説あり。
「ハギ(萩)」は、ヤマハギの名前の由来参照。
葉:互生、3出羽状複葉
花:総状花序、蝶形花、淡紅色
花期:7~9月
果実:節果、半円形の小節果が2個並ぶ
果期:10~12月
習性:多年草
備考:節果の表面にはかぎ状の毛があり、衣服などにくっついて種子を散布する。 -
スズメノエンドウ Vicia hirsuta
マメ科ソラマメ属
漢字:雀野豌豆
名前の由来:カラスノエンドウに似ていて小型。
葉:互生、偶数羽状複葉
花:蝶形花、白紫色
花期:4~6月
果実:豆果
習性:蔓性の越年草
備考:
全草を茶として飲み、牧草に用いる。
<カラスノエンドウとの違い>
カラスノエンドウの備考参照。















































