基本情報
- 学名:Ginkgo biloba
- 科名・属名:イチョウ科イチョウ属(1科1属1種)
- 漢字名:銀杏
- 漢名:公孫樹(こうそんじゅ)
名前の由来
- 葉の形が水かきを持つ鴨の脚に似ており、宋時代の中国名「鴨脚」を「ヤーチャオ」と聞き転訛した説あり
- 漢字「銀杏」は、種子が銀(白)色で、外種皮が杏(あんず)に似ている
- 漢名「公孫樹」は、中国での当て字、孫の代にならないと結実しないことから
生育地
- 中国原産。古生代デボン紀に出現し、氷河期に絶滅したと考えられていたが、中国で生き残りが発見され、「生きている化石」といわれる
- 日本には古くに移入されたとされ、公園、街路、社寺境内などに植えられている
樹形
- 落葉高木
- 老木の枝にはしばしば「乳(ちち)」と呼ばれる太い根のようなものが垂れ下がる、担根体(根でも枝葉でもない)という栄養分を蓄える器官という説あり
樹皮
- 灰白色。粗く縦に裂ける。コルク層が発達し、押すとやや弾力がある
葉
- 葉序:長枝で互生、短枝で束生
- 葉形:扇形、葉身長4~8cm
- 葉縁:中央に切れ込みが入る葉と入らない葉あり
- 葉脈:途中で二叉に分かれて広がる「ニ叉状脈(にさじょうみゃく)」、シダ植物に多い
- 葉質:革質
- 葉柄:3~8cm
- 紅葉:鮮やかな黄色
花
- 花性: 雌雄異株
- 花序:短枝に束生
- 雄花:長さ2cmほど、雄しべがらせん状についた円柱形
- 雌花:長さ2~3cm、細長い柄の先に胚珠が2個つく、1個だけ成熟
- 花被:無花被花(花冠と萼なし)
- 開花期:4~5月、葉の展開と同時
- 送粉方法:風媒
- 受精方法:コケ植物やシダ植物と同様に精子で受精する。花粉が春に雌花についてから秋近くになって精子をつくり、胚に入って受精する(他の種子植物は、精子をつくらず、花粉管をのばして、精子核を胚に直接いれて受精する)
果実
種子
- 種類:銀杏と呼ばれる(胚珠が成長したもので種子であり果実ではない)。
- 形:球形、種子は悪臭のする外種皮につつまれ、取り除くと白色のかたい殻(中種皮)があり、中の雌性配偶体(胚乳ではない。胚乳は被子植物が獲得した重複受精によりつくられるようになったもの)は食用
- 成熟期:10~11月、外種皮が黄色になる
- 散布方法:動物散布または重力散布
冬芽
- 鱗芽
- 頂芽は半球形、側芽はほとんど短枝化する
- 短枝の芽は、雄木は膨らみ、雌木は小さくとがる違いあり
葉痕
- 形:半円形
- 維管束痕:2個
用途
- 材:白く美しく、ソロバン玉、木魚、碁盤、漆器の木地、まな板に用いる
- 中種皮を取り除いた雌性配偶体は生薬の「白果仁(はくかにん)」と呼ばれ、咳止めや痰切りに用いられた
特記事項
- 注意事項
- 外種皮を素手で触るのは注意が必要。ウルシ科の植物にかぶれる場合、かぶれる可能性あり
- 一度に大量のギンナンを食べると、ビタミンB6欠乏症で、嘔吐、下痢、呼吸困難を起こす場合あり
- 燃えにくく火災に強いが、過湿な土に弱い
参考
- スタンダード版 APG牧野植物図:[1-2]
- 新牧野日本植物圖鑑:[4]
- 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[3-552P]
- 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[45P]
- “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[上2]
- 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[74P]
- 「読む」植物図鑑:[1-107P, 110P]





