【注意】備忘録。内容に誤りがある可能性あり。

タグ: モクセイ科

  • アオダモ

    基本情報

    • 学名:Fraxinus lanuginosa
    • 科名・属名:モクセイ科 トネリコ属
    • 漢字名:青梻
    • 別名:コバノトネリコ、アオタゴ

    名前の由来

    • 「アオ」
      • トネリコ属の樹皮には蛍光物質を含み、枝を切って水に浸して暗い場所で紫外線を当てると青く蛍光する。殺菌性の強いクマリン配糖体のエスクリン等が水に溶け出し、青(藍)色の蛍光を発行するため
    • 「タモ」「タゴ」
      • 水田の畦の稲架木(はさぎ)として植えていたため「田面(たも)」由来説、材の粘りが強くて大きくたわむ「たわむ木」から転訛説など諸説あり
    • 「コバノトネリコ」のトネリコについては、シマトネリコの名前の由来参照

    生育地

    • 山地の林内

    樹形

    • 常緑高木

    樹皮

    • 若木は灰白色で滑らか、成長すると縦に浅い筋

    • 葉序:対生
    • 葉形:奇数羽状複葉、小葉数2~4対、葉身長12~25cm
    • 小葉形:長楕円形、葉身長4~10cm
    • 小葉縁:細鋸歯
    • 小葉脈:羽状
    • 質感:薄い
    • 葉柄:小葉柄はほどんどない

    • : 雄性両性異株
    • 花序:葉の展開前に、枝先に円錐花序
    • 花被:無花被花(萼片と花弁なし(正確には退化して非常に小さい))、白く見えるのは花糸の集まり
    • 雄しべ・雌しべ
      • 雄花:雄しべ2個
      • 両性花:雄しべ2個、雌しべ1個
    • 開花期:4〜5月
    • 送粉方法:風媒

    果実

    • 種類:翼果
    • :倒披針形、長さ2~2.8cm、幅4~5mm
    • :淡褐色
    • 成熟期:9~10月

    種子

    • :翼の付け根の中に1個
    • :楕円形、5~7mm
    • 散布方法:風散布(翼で回転し遠くに飛ぶ)

    冬芽

    • 鱗芽

    葉痕


    用途

    • :アオダモ類の材は縦に割りやすく、粘りがあり狂いも少ないため、公式用の野球のバットに用いた。他、床柱や木槌等の器具材や薪(生でもよく燃える)に用いた
    • 樹皮:生薬の「秦皮(しんぴ)」と呼ばれ、下痢止め、解熱、洗眼剤に用いた

    特記事項など


    参考

    • スタンダード版 APG牧野植物図:[2-3346]
    • 新牧野日本植物圖鑑:[2284]
    • 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[3-244P]
    • 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[676P]
    • “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[下297]
    • 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[‐]
    • 「読む」植物図鑑:[2-88P]

    写真

    アオダモ
    20220613_高山・市民の森
    アオダモ
    20220613_高山・市民の森
    アオダモ
    20220613_高山・市民の森
    アオダモ
    20220613_高山・市民の森
    アオダモ
    20220613_高山・市民の森
    アオダモ
    20220613_高山・市民の森
    アオダモ
    20240428_高山・市民の森
    アオダモ
    20240428_高山・市民の森
    アオダモ
    20250309_高山・市民の森
    アオダモ
    20250309_高山・市民の森
    アオダモ
    20250427_高山・市民の森
    アオダモ
    20250427_高山・市民の森
  • ヤチダモ Fraxinus mandshurica var. japonica

    モクセイ科トネリコ属
    漢字:谷地梻
    名前の由来:
    「ヤチ」は、谷地または野地で湿地に生える。
    「ダモ」は、アオダモの名前の由来参照。
    樹形:落葉高木
    葉:対生、奇数羽状複葉
    花:雄性両性異株、円錐花序、無花被花(萼と花冠なし)
    花期:4~5月
    果実:翼果
    果期:10月頃
    備考:
    小葉のつけ根に茶褐色の縮れた毛が密生する。
    材はかたく、加工しやすく、建築の内装材、バットなどの運動具や家具材に用いる。

    ヤチダモ
    20240918_箱根湿生花園
    ヤチダモ
    20240918_箱根湿生花園
    ヤチダモ
    20240918_箱根湿生花園
    ヤチダモ
    20240918_箱根湿生花園
  • ミヤマイボタ Ligustrum tschonoskii

    モクセイ科イボタノキ属
    漢字:深山水蝋/深山疣取
    名前の由来:
    「ミヤマ(深山)」は、山に生える。
    「イボタ(水蝋/疣取)」は、イボタノキの名前の由来参照。
    樹形:落葉低木
    葉:対生
    花:両性花、円錐花序、白色
    花期:5~7月
    果実:液果状の核果、黒紫色
    果期:10~11月
    備考:
    イボタノキの備考参照。
    イボタノキとの違い>
    ミヤマイボタは葉先が尖るが、イボタノキは丸みを帯びる。
    ミヤマイボタは短枝がよく発達する。
    ミヤマイボタは本州中部では、標高が1000~2000m付近の山地に生える。イボタノキはそれより低い低地に生える。

    ミヤマイボタ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ミヤマイボタ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ミヤマイボタ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ミヤマイボタ
    20240719_富士山太郎坊周辺
  • マルバアオダモ Fraxinus sieboldiana

    モクセイ科トネリコ属
    漢字:丸葉青梻
    名前の由来:
    「マルバ(丸葉)」は、葉の形ではなく、葉縁の鋸歯が低く不明慮。
    「アオダモ(青梻)」は、アオダモの名前の由来参照。
    樹形:落葉高木
    葉:対生、奇数羽状複葉
    花:雌雄異株(雄株と両性花)、円錐花序、白色
    花期:4~5月
    果実:翼果
    果期:10~11月
    備考:
    アオダモの備考参照。
    アオダモとの違い>
    葉の鋸歯が低く不明瞭だが、アオダモは明瞭。
    若枝、葉軸、花軸などに微細な粉状毛あり。
    基部の小葉が特に丸みが強く小型。

    マルバアオダモ
    20230702_高山・市民の森
    マルバアオダモ
    20230702_高山・市民の森
    マルバアオダモ
    20230702_高山・市民の森
    マルバアオダモ
    20240608_遊木の森
    マルバアオダモ
    20240608_遊木の森
    マルバアオダモ
    20240608_遊木の森
  • ヒイラギ Osmanthus heterophyllus

    モクセイ科モクセイ属
    漢字:柊
    名前の由来:
    とげが刺さるとヒリヒリ痛む「疼(ひい)らぐ」という古語に由来。
    漢字「柊」は、冬に花が咲くため。
    樹形:常緑小高木
    葉:対生
    花:雌性両性異株、白色、芳香あり
    花期:11~12月
    果実:核果、黒紫色
    果期:翌年の6~7月
    備考:
    鋭いとげによって邪気を祓う木と考えられ、庭に植える習慣あり。
    材は緻密で堅く、印鑑や将棋の駒などに用いた。
    <先祖返り、隔世遺伝>
    若木の葉は鋭い鋸歯があるが、老木では全縁になる。幼木の時期は樹高が低く、草食動物などに食べられる危険性が高いためとげで武装し、成長して樹高が高くなるととげの必要性がなくなるからと考えられる(とげを作るのにもコストがかかる)。強く剪定したりして枝が若返ると、再びとげを作る。
    <焼嗅(やいか)がし(柊鰯(ひいらぎいわし))>
    二月の節分に、ヒイラギやトベラの小枝に焼いたイワシの頭をさして戸口に立て、魔除けにする厄除けの習慣あり。ヒイラギやトベラの生葉を火にくべると葉が膨らんでパチパチと音を立てて弾けながら燃えることがあり、この音が鬼おどしの意味があるとも言われている。

    ヒイラギ
    20220801_県立美術館
    ヒイラギ
    20220801_県立美術館
    ヒイラギ
    20220801_県立美術館
    ヒイラギ
    20241129_県立美術館
    ヒイラギ
    20241129_県立美術館
  • ネズミモチ Ligustrum japonicum

    モクセイ科イボタノキ属
    漢字:鼠黐
    名前の由来:黒紫色に熟した果実がネズミの糞に似ていることと、葉がモチノキに似ている。
    樹形:常緑小高木
    葉:対生、全縁、革質で厚い、表面に光沢あり、日にかざすと側脈が透けて見えない
    花:両性花、円錐花序、白色、虫媒花
    花期:6月
    果実:液果状の核果、楕円形(長さ8~10mm、径5~7mm)黒紫色、動物(主に鳥)散布
    果期:10~12月
    備考:[2-3361][2299][3-282P][690P][下300]
    トウネズミモチとの違い>

    葉を日に透かした場合の羽状脈(葉の厚み)葉身の長さ葉の先端葉の最大幅の位置花序の大きさ
    ネズミモチ透けて見えない
    (厚い)
    4~8cm中央10cm前後
    トウネズミモチ透けて見える
    (薄い)
    6~12cmやや長鋭尖する基部より20cm前後
    ネズミモチ
    20211018_城北公園
    ネズミモチ
    20211018_城北公園
    ネズミモチ
    20220801_県立美術館
    ネズミモチ
    20220801_県立美術館
    ネズミモチ
    20220801_県立美術館
    ネズミモチ
    20240531_その他
    ネズミモチ
    20240531_その他
    ネズミモチ
    20240809_県立美術館
    ネズミモチ
    20240809_県立美術館
    ネズミモチ
    20251130_県立美術館
  • トウネズミモチ Ligustrum lucidum

    モクセイ科イボタノキ属
    漢字:唐鼠黐
    名前の由来:
    「トウ(唐)」は、中国原産。
    「ネズミモチ(鼠黐)」は、ネズミモチの名前の由来参照。
    樹形:常緑高木
    葉:対生、全縁、表面に光沢あり、日にかざすと側脈が透けて見える(ネズミモチは見えない)
    花:両性花、円錐花序、白色、虫媒花
    花期:6~7月
    果実:液果状の核果、楕円形(長さ8~10mm、径5~6mm)、黒紫色、白い粉をかぶる、種子はしわあり、動物(主に鳥)散布
    果期:10~12月
    備考:[2-3361][2299][3-284P][691P][下300]
    成長が早く、鳥による種子散布で増え、要注意外来生物に指定されている。
    <ネズミモチとの違い>
    ネズミモチの備考参照。

    トウネズミモチ
    20220801_県立美術館
    トウネズミモチ
    20220801_県立美術館
    トウネズミモチ
    20220801_県立美術館
    トウネズミモチ
    20240809_県立美術館
    トウネズミモチ
    20240809_県立美術館
    トウネズミモチ
    20250923_県立美術館
    トウネズミモチ
    20251103_県立美術館
  • シマトネリコ Fraxinus griffithii

    モクセイ科トネリコ属
    漢字:島梣/島十練子
    名前の由来:
    「シマ(島)」は、沖縄諸島。
    「トネリコ(梣)」は、樹皮につくイボタロウムシ(カイガラムシの一種)が分泌する白蝋を固めたイボタ蝋(虫白蝋(ちゅうはくろう))を、敷居の溝に塗って滑りをよくしたことから「戸に塗る木(とにぬるき)」が転訛した説、
    樹皮の煮汁等を加えて墨をすると、墨色が美しく蛍光を発するため共練濃(ともねりこ)が転訛した説あり。
    樹形:常緑小高木
    葉:対生、奇数羽状複葉
    花:雌雄異株、円錐花序、白色
    花期:5~6月
    果実:翼果
    果期:10~11月
    備考:もともと沖縄以南から東南アジアにかけて生育する亜熱帯植物だが、関東地方以南では街路樹やシンボリツリーとして植えられている。

    シマトネリコ
    20220627_その他
    シマトネリコ
    20220627_その他
    シマトネリコ
    20220627_その他
    シマトネリコ
    20220627_その他
    シマトネリコ
    20240407_駿府城公園
    シマトネリコ
    20240407_駿府城公園
    シマトネリコ
    20240407_駿府城公園

  • シナレンギョウ Forsythia viridissima

    モクセイ科レンギョウ属
    漢字:志那連翹
    名前の由来:
    「シナ(志那)」は、中国原産、既に中国から渡来していた「レンギョウ」と区別するためつけたと推測される。
    「レンギョウ(連翹)」は、漢名の音読み、トモエソウ(オトギリソウ科)の漢名「連翹」を誤用。
    樹形:落葉低木
    葉:対生
    花:雌雄異株、黄色
    花期:4月
    果実:蒴果
    果期:8~11月
    備考:果実は生薬名「連翹」、利尿、消炎、解毒剤に用いる。

    シナレンギョウ
    20231124_有度山
    シナレンギョウ
    20231124_有度山
    シナレンギョウ
    20250404_県立美術館
    シナレンギョウ
    20250404_県立美術館
    シナレンギョウ
    20250404_県立美術館
    シナレンギョウ
    20250404_県立美術館
  • キンモクセイ Osmanthus fragrans var. aurantiacus

    モクセイ科モクセイ属
    漢字:金木犀
    名前の由来:
    「金」は橙黄色の花を金にたとえた。
    「木犀」は木肌が動物のサイ(犀)の肌に似ている。
    樹形:常緑小高木
    葉:対生
    花:雌雄異株、橙黄色
    花期:9~10月
    果実:核果
    果期:(日本に雌株なし)
    備考:
    ギンモクセイの変種。
    10月頃に咲く花は、ギンモクセイより強い芳香あり。
    日本のものは全て雄株で結実しない。挿し木で増やす。

    キンモクセイ
    20211026_駿府城公園
    キンモクセイ
    20211026_駿府城公園
    キンモクセイ
    20211103_その他
    キンモクセイ
    20250404_県立美術館
    キンモクセイ
    20231016_県立森林公園
    キンモクセイ
    20231016_県立森林公園