【注意】備忘録。誤りがある可能性あり。

タグ: マツ科

  • モミ

    基本情報

    • 学名:Abies firma
    • 科名・属名:マツ科モミ属
    • 漢字名:樅

    名前の由来

    • 風で葉がもみ合うように揺れる様子から「もむ」が語源説、
    • 神聖な木とされ「臣の木(オミノキ)」が転訛説、
    • 新芽の「萌黄(もえぎ)色」説など諸説あり

    生育地

    • 日本固有種
    • 低山から標高1400m付近までに生える
    • 海岸近くの丘陵からブナ帯上部まで、上部でウラジロモミと入れかわる

    樹形

    • 常緑高木
    • 樹幹は円錐形、樹形が整っているので、クリスマスツリーに用いられる

    樹皮

    • 灰白色。なめらかまたは浅く割れる。ところどころに横長のヤニ袋が見られる

    • 葉序:上部の枝や日なたの枝はらせん状につき、若木や日陰の枝では羽状につく
    • 葉形:長さ2~3cmの線形で、先は若木や日陰は2裂して鋭く尖る、成木は凹む。葉枕は発達しない
    • 葉質:ウロジロモミよりかたく、裏面には白色が目立たない気孔帯が2本あり

    • 若枝には褐色の短毛あり
    • 幹からは数本が輪生、横枝では平に3分枝

    • 花性: 雌雄同株/異花
    • 花序
      • 雄花:前年枝の葉腋につく、葯(花粉)は黄色
      • 雌花:緑色で、前年枝に直立
    • 花被:無花被花(花冠と萼なし)
    • 開花期:5月
    • 送粉方法:風媒

    果実


    種子

    • 種類:球果、上向きにつく
    • :長さ6~10cm、直径3cmの円柱形
    • :くすんだ緑色
    • 苞鱗:ペン先のような形で、種鱗より長く、つきでる
    • 種鱗:扇形、長さ約2.5cm、基部に種子が2個つく。熟すとばらばらになって飛散し、中軸だけ残る
    • 種子:種子本体より長い翼あり
    • 成熟期:10~11月
    • 散布方法:風散布

    冬芽

    • 葉芽は卵形で先はとがる、ヤニはほとんどつかない

    葉痕

    • :円形

    用途

    • :食品に接するもの(かまぼこの板など)、冠婚葬祭に関連した道具(棺など)。卒塔婆(そとば)などに用いる

    特記事項

    • モミ属
      • 樹皮にはヤニ袋あり。破るとにおいの強いヤニが流れ出る。ヤニ(樹脂)は、樹皮の傷口を塞いだり、虫や菌の侵入を防いでいる
      • 球果は直立し、種鱗が種子とともに散って、球果は軸を残して脱落する
    • トウヒ属との違い
      • トウヒ属に比べて葉枕が発達せず、葉の基部が膨らんで葉痕は丸くなる
    • ウラジロモミとの違い
    葉の先端若枝葉裏の気孔帯球果
    モミ若木:2裂して鋭く尖る
    成木:凹む程度
    球果をつける枝:鈍頭から円頭
    黒褐色の短毛あり
    溝なし
    白色が目立たない緑色から淡黄褐色
    苞鱗がつきでる
    ウラジロモミ若木でも凹む程度
    葉はモミに比べて柔らかい
    無毛
    縦に流れる溝あり
    モミより白色が目立つ紫色
    苞鱗はつき出ない

    参考

    • スタンダード版 APG牧野植物図:[1-13]
    • 新牧野日本植物圖鑑:[24]
    • 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[3-578P]
    • 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[56P]
    • “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[上3]
    • 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[80P]
    • 「読む」植物図鑑:[‐]

    写真

    モミ
    20241129_県立美術館
    モミ
    20241129_県立美術館
    モミ
    20241129_県立美術館
    モミ
    20241129_県立美術館
    モミ
    20241129_県立美術館
    モミ
    20251006_県立美術館
    モミ
    20251029_寸又峡
  • ウラジロモミ

    基本情報

    • 学名:Abies homolepis
    • 科名・属名:マツ科モミ属
    • 漢字名:裏白樅
    • 別名:ダケモミ(嶽樅)/ニッコウモミ(日光樅)

    名前の由来

    • 「ウラジロ(裏白)」は、葉裏の気孔帯の幅が広く白く鮮明
    • 「モミ(樅)」は、モミ名前の由来参照

    生育地

    • 日本固有種
    • ブナ帯を中心に、亜高山帯(標高1000~2000m)

    樹形

    • 常緑高木
    • 樹幹は円錐形

    樹皮

    • 灰褐色。赤みを帯びることが多い。老木では粗く割れる

    • 葉序:上部の枝や日なたの枝はらせん状につき、若木や日陰の枝では羽状につく
    • 葉形:長さ1.5~3.5cm線形で、先は若木や日陰は小さく二叉に分かれてとがり、成木や日なたは丸く凹む
    • 葉質:モミよりやわらかい。裏面には幅の広い白色が目立つ気孔帯が2本あり
    • その他:強いにおいあり

    • 若枝は明るい黄褐色で、光沢があり、無毛
    • 葉の基部からのびる溝がよく目立つ
    • 対生

    • 花性: 雌雄同株/異花
    • 花序
      • 雄花:前年枝の葉腋につく、葯(花粉)は黄色
      • 雌花:赤紫色で、前年枝に直立
    • 花被:無花被花(花冠と萼なし)
    • 開花期:6月
    • 送粉方法:風媒

    果実


    種子

    • 種類:球果、上向きにつく
    • :長さ5~10cm、直径3cmの円柱形
    • :紫色を帯びた褐色
    • 苞鱗:種鱗より短く、外から見えない
    • 種鱗:扇形、長さ2cmほど、基部に種子が2個つく。熟すとばらばらになって飛散し、中軸だけ残る
    • 種子:種子本体より長い翼あり
    • 成熟期:10~11月
    • 散布方法:風散布

    冬芽

    • 葉芽は卵形で、ヤニにおおわれている

    葉痕

    • :円形

    用途

    • :建築用材、パルブなど。クリスマスツリーに用いる

    特記事項

    • モミ属
    • モミとの違い

    参考

    • スタンダード版 APG牧野植物図:[1-14]
    • 新牧野日本植物圖鑑:[25]
    • 山渓ハンディ図鑑 樹に咲く花:[3-574P]
    • 山渓ハンディ図鑑 増補改訂 樹木の葉:[57P]
    • “しゅんさん”の観察した静岡県の樹木:[上3]
    • 観察と発見シリーズ 樹木博士入門:[‐]
    • 「読む」植物図鑑:[‐]

    写真

    ウラジロモミ
    20230626_富士山こどもの国
    ウラジロモミ
    20230626_富士山こどもの国
    ウラジロモミ
    20230626_富士山こどもの国
    ウラジロモミ
    20231101_清里自然歩道
    ウラジロモミ
    20231101_清里自然歩道
    ウラジロモミ
    20231101_清里自然歩道
    ウラジロモミ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    ウラジロモミ
    20240719_富士山太郎坊周辺
  • ヒマラヤスギ Cedrus deodara

    マツ科ヒマラヤスギ属
    漢字:ヒマラヤ杉
    別名:ヒマラヤシーダ
    名前の由来:ヒマラヤ産で葉の形がスギに似ている。
    樹形:常緑高木
    葉:多数が短枝に束生、長枝では互生
    花:雌雄同株
    花期:10~11月
    種子:球果
    種期:翌年の秋
    備考:
    ヒマラヤ西部~アフガニスタン原産。
    円錐形の美しい樹形で、コウヤマキ、アローカリヤとともに世界三大庭園樹の一つとされる。
    球果は成熟すると果軸を残して種鱗は脱落する。球果の先端部の種鱗は脱落せず果軸に残り、バラの花のような形のため、リース、ドライフラワーなどに用いる。

    ヒマラヤスギ
    20250404_県立美術館
    ヒマラヤスギ
    20250404_県立美術館
    ヒマラヤスギ
    20250404_県立美術館
    ヒマラヤスギ
    20250404_県立美術館
  • トウヒ Picea jezoensis

    マツ科トウヒ属
    漢字:唐檜
    名前の由来:漢字「唐檜」は、見た目が唐の国(中国)の木のようであり、材がヒノキの代用になる。
    樹形:常緑高木
    花:雌雄同株
    花期:5~6月
    種子:球果
    種期:秋
    備考:
    日本固有種。
    亜高山帯で、シラビソ、オオシラビソ、コメツガなどと混生。
    エゾマツ(北海道のみに生える)の変種。
    葉の裏面に2本の気孔帯があり、内側に曲がり気孔帯に日があたらないようにしている。
    葉の断面は扁平
    葉の先端は尖り、老木では鈍頭になる。
    トウヒ属は、葉の付け根の葉枕が隆起している。
    トウヒ属の球果は、下垂し種子だけ飛び散る、種鱗は脱落せずに球果は丸ごと落ちる
    カサアブラムシが虫えいを作る。
    材は音響効果がよく、バイオリンの甲板やピアノの響盤に用いる。

    トウヒ
    20221013_しらびそ高原
    トウヒ
    20221013_しらびそ高原
    トウヒ
    20221013_しらびそ高原
    トウヒ
    20221013_しらびそ高原 エゾマツカサアブラムシの虫えい
    トウヒ
    20221013_しらびそ高原
    トウヒ
    20230821_宝永遊歩道
    トウヒ
    20230821_宝永遊歩道
    トウヒ
    20230821_宝永遊歩道
    トウヒ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    トウヒ
    20240719_富士山太郎坊周辺
    トウヒ
    20240724_富士山太郎坊周辺
    トウヒ
    20240724_富士山太郎坊周辺
  • ツガ Tsuga sieboldii

    マツ科ツガ属
    漢字:栂
    名前の由来:
    木が曲がる意味の「とが」が転訛した説、
    枝についた葉が下側に長い葉、上側に短い葉と並ぶことから、「継ぎあう」とか「番(つが)う」を意味する「つがう木(組み合わせる木)」と表現した説、
    かつて咎人(とがにん)を張り付ける木として使われたため、トガがツガになった説などあり。
    漢字名「栂」は、落葉した葉が厚く堆積して肥料となり台地を育むため、母のごとき木とした説、
    楕円形の球果が、母指(おやゆび)ぐらいの大きさ説、
    幹から出る白っぽい樹液(樹脂)を母乳に見立てた説など諸説あり。
    樹形:常緑高木
    葉:らせん状に互生、扁平な線形、長さ1~2cm、先は少し凹み丸まっている、裏に白い気孔帯2本が目立つ、短い葉柄に対してほぼ直角に曲がる、表面は濃緑色で光沢あり
    花:雌雄同株、風媒花
    花期:4~6月
    種子:球果、楕円形~卵形(長さ2~3cm)、種鱗は円形(径1cm)、ツガ属の球果は下垂し種鱗は脱落しない、風散布
    種期:10月頃
    備考:[1-10][21][3-608P][58P][上10][5-97P]
    材は針葉樹材の中では重硬で、節やアテ材が比較的多く、加工性は容易ではない。また、ほとんどが天然性のため、成長が遅く、年輪が詰まった美しい柾目面が取れ、建築材としては柱や土台、長押(なげし)や鴨居、床柱に用いられた他、線路の枕木や器具材、指物(さしもの)、家具材、船舶材、彫刻材などにも用いた。
    コメツガとの違い>

    生息域若枝球果の長さ(mm)果柄冬芽
    ツガ本州中部標高1600付近
    下部
    無毛、光沢あり20~30下向きに曲がる先端尖り気味
    コメツガ本州中部標高1600付近
    上部
    褐色の短毛あり、光沢なし15~20斜め下に曲がる程度先端丸目気味
    ツガ
    20231101_清里自然歩道
    ツガ
    20231101_清里自然歩道
    ツガ
    20231101_清里自然歩道
    ツガ
    20251029_寸又峡
    ツガ
    20251029_寸又峡
    ツガ
    20251029_寸又峡
    ツガ
    20251112_寸又峡
    ツガ
    20251112_寸又峡
    ツガ
    20251112_寸又峡
  • シラビソ Abies veitchii

    マツ科モミ属
    漢字:白檜曽
    名前の由来:
    白ヒノキ。
    「シラ(白)」は、材や樹皮が白い、あるいは葉の裏が白い。
    「ビソ(檜曽)」は、ヒノキの細材を意味する古語ヒソ(檜楚)に由来している説あり。
    樹形:常緑高木
    花:雌雄同株
    花期:5~6月
    種子:球果、黒っぽい青紫色
    種期:10月頃
    備考:
    亜高山帯に生える。
    材は建築材、器具材、土木用材、パルプなどに用いる。
    <モミ属>
    モミ特記事項参照。
    <トウヒ属との違い>
    モミ特記事項参照。
    <オオシラビソとの違い>

    若枝葉の着き方
    シラビソ灰色の細毛あり上から見ると枝が見える。
    枝の上の葉が立ち上がっているため
    オオシラビソ赤褐色の軟毛あり上から見ると枝が見えない。
    枝の上の葉が張りつくように着くため
    シラビソ
    20221013_しらびそ高原
    シラビソ
    20221013_しらびそ高原
    シラビソ
    20230817_宝永遊歩道
    シラビソ
    20230817_宝永遊歩道
    シラビソ
    20230817_宝永遊歩道
  • ゴヨウマツ Pinus parvifloa

    マツ科マツ属
    漢字:五葉松
    別名:ヒメコマツ(姫小松)
    名前の由来:葉が短枝上に5個束生している。
    樹形:落葉高木
    花:雌雄同株(雄花は新枝の下部、雌花は新枝の頂上)
    花期:5~6月
    種子:球果
    種期:翌年の10月頃
    備考:
    葉はややよじれ、アカマツやクロマツに比べて短く、柔らかい。
    五葉松類は樹脂が多く、マツクイムシの被害が少ない。
    材は木目がねじれておらず通直で、肌目も均質で緻密かつ狂いが少ないため、ピアノの鍵盤下地やバイオリンなどの弦楽器の腹板(ふくばん)に柾目材を用いた。また、軽軟で切削加工性に優れているため、鋳造用木型(ちゅうぞうようきがた)に用いた。

    ゴヨウマツ
    20240407_駿府城公園
    ゴヨウマツ
    20240407_駿府城公園
    ゴヨウマツ
    20240407_駿府城公園
  • コメツガ Tsuga diversifolia

    マツ科ツガ属
    漢字:米栂
    名前の由来:
    「コメ(米)」は、「ツガ」より葉、球果が全体的に小振り。
    「ツガ(栂)」は、ツガの名前の由来参照。
    樹形:常緑高木
    葉:ツガに比べて小さい、ツガの葉柄は枝に密着し葉が直角に曲がるのに対してそれほど曲がらない
    花:雌雄同株、風媒花
    花期:6月頃
    種子:ツガに比べて小さい、風散布
    種期:秋
    備考:[1-11][22][3-610P][59P][上10][5-97P]
    亜高山帯に生える。静岡県では標高1600m付近を境に下部はツガ、上部はコメツガ。
    ツガの備考参照。

    コメツガ
    20221012_しらびそ高原
    コメツガ
    20221012_しらびそ高原
    コメツガ
    20221012_しらびそ高原
    コメツガ
    20230821_宝永遊歩道
    コメツガ
    20230821_宝永遊歩道
  • カラマツ Larix kaempferi

    マツ科カラマツ属
    漢字:唐松/落葉松
    名前の由来:短枝に葉が束になってつく様子が中国の唐絵(からえ)に描かれた松に似ている。
    樹形:落葉高木(森林限界付近では低木)
    花:雌雄同株
    花期:4~5月
    種子:球果
    種期:9~10月
    備考:
    日本固有種。
    日本に自生する唯一の落葉する針葉樹。主に高地の寒さの厳しい環境に生育しており、雪の少ない場所では落葉することが、乾燥と低温対策に有効。このため、葉にはコストをかけず、常緑針葉樹に比べてやわらかい葉を付ける。
    陽性で、山火事跡や崩壊地などの裸地に最も早く侵入する先駆樹種(パイオニアツリー)。<先駆樹種(パイオニアツリー)>については、アカメガシワの特記事項参照。
    樹皮には褐色で細長い厚膜細胞があり、素手で触るとこれがとげのように刺さることがある。
    材は強度があり腐りにくいが、割れやすく狂いが大きいため、建築材としては劣っていたが、最近は加工技術の進歩等により、集成材などに加工して、建築材にも使われるようになっている。
    尾瀬の木道(もくどう)には、水に強いカラマツ材が主に使われている。

    カラマツ
    20221013_しらびそ高原
    カラマツ
    20221013_しらびそ高原
    カラマツ
    20221013_しらびそ高原
    カラマツ
    20230817_宝永遊歩道
    カラマツ
    20230817_宝永遊歩道