バラ科ビワ属
漢字:枇杷
名前の由来:果実あるいは葉の形が弦楽器の琵琶に似ている(琵琶も昔は枇杷の文字だった)。
樹形:常緑小高木
葉:互生
花:両性花、円錐花序、白色、芳香あり。
花期:11月~1月
果実:ナシ状果、黄橙色
果期:5~6月
備考:
花は冬に咲く鳥媒花だが、自家受粉も可能。
枝葉は春、夏、秋と年三回の伸長成長する。
実は食用。
材は弾力があり木目が美しいため櫛材や印材、木刀、杖などに用いた。
葉は生薬「枇杷葉(びわよう)」として、あせも、打ち身・捻挫、咳止め、暑毛(しょっき)あたり、胃腸病などに用いる。種子を乾燥させたものは生薬「枇杷仁(びわにん)」として、鎮咳・鎮静剤に用いる。
タグ: バラ科
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ビワ Eriobotrya japonica
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ノイバラ Rosa multiflora
バラ科バラ属
漢字:野茨
名前の由来:トゲのことを「茨」といい、茎にトゲを持ち野に生える。
樹形:落葉低木
葉:互生、奇数羽状複葉
花:両性花、円錐花序、白色、芳香あり
花期:5~6月
果実:バラ状果(集合果)、赤色
果期:9~11月
備考:
枝にかぎ状に湾曲した鋭いトゲが対生する。
托葉は葉柄の基部に合着し、羽状で、先端は細かく分かれ腺となっている。
赤い果実は、冬に落葉しても残って越冬する。ローズヒップと呼ばれ、食べられる。
果実を青みがかかったうちに採取して乾燥させたものを生薬の「営実(えいじつ)」と呼び、下剤、利尿薬に用いた。
(参考)
子房が肥大した「真果」に対して、子房以外の萼や花床(花托)などが肥大した果実を「偽果」という。バラ属、リンゴ属、ナシ属は発達した花床(花托)が肥大して偽果を形づくっている。 -
ナンキンナナカマド Sorbus gracilis
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ナナカマド Sorbus commixta
バラ科ナナカマド属
漢字:七竈
名前の由来:
材が燃えにくく七度かまどに入れても燃え残る説、
木炭として製炭するのに7日かかる説あり。
樹形:落葉高木
葉:互生、奇数羽状複葉
花:両性花、複散房花序、白色
花期:5~7月
果実:ナシ状果、緑色→赤色
果期:9~10月
備考:
静岡県内ではブナ帯に見られる。
材は重硬・強靭で割れにくく、道具の柄や細工物の材料に用いられる。
果実は一度にたくさん熟すが、苦味成分や青酸配糖体を含み美味しくない。鳥は少しずつ食べて何度も来ることになり、種子は時間的にも空間的にも広くばらまかれることになる。 -
セイヨウバクチノキ Laurocerasus officinalis
バラ科サクラ属
漢字:西洋博打の木
名前の由来:
「セイヨウ(西洋)」は、ヨーロッパ原産。
「バクチ(博打)」は、樹皮が鱗片状に剥がれるので、博打に負けて身ぐるみ剥がれることにたとえた。
樹形:常緑低木
葉:互生
花:両性花、総状花序、白色
花期:4月
果実:核果、紫黒色
果期:
備考:
葉裏の主脈脇に2~3の大きな黒い腺あり。
材は重硬・強靭で家具材工具の柄などに用いる。
樹皮は紅~黄色の染料になる。
バクチノキとは葉柄が短いこと、葉の先端が長く尖らないことなどにより区別できる。 -
ズミ Malus toringo
バラ科リンゴ属
漢字:酸実
名前の由来:
果実の酸味を表す「酢実(すみ)」が転訛した説、
樹皮から黄色の染料をとった「染み(そみ)」が転訛した説あり。
樹形:落葉小高木
葉:互生
花:両性花、散形花序、白色
花期:4~6月
果実:ナシ状果、黄色または赤色
果期:9~10月
備考:
長枝と短枝があり、側芽はほとんど短枝化して、とげ状になるものが多い。
長枝:節間が長く伸び、葉が散在してつく通常みられる枝
短枝:節と節の間が年々わずかしか伸びない枝
節(せつ):葉が生じる場所
果実は数回霜に当たると渋味が採れて甘酸っぱくなる。完熟前の果実を漬けて果実酒などにする。
材は緻密で堅く、斧や農具の柄、櫛や器具類に用いた。
<異形葉性>
短枝につく葉は楕円形、長枝につく葉は3~5裂(欠刻)するものが多い。
<根萌芽(こんぼうが)>
親株を中心に根を水平に伸ばして根萌芽幹を発生させる。他、タラノキ、ハリギリ、ニセアカシア、ヤマナラシなど。