アカネ科ヘクソカズラ属
漢字:屁糞蔓・屁臭蔓
別名:ヤイトバナ(灸花)/サオトメバナ(早乙女花)
名前の由来:
花、葉、果実をもんだり、つぶしたりすると悪臭がある。
「ヤイトバナ(灸花)」は、お灸を意味する花、筒状の花を伏せた様子が艾(もぐさ)を盛り上げた形に見える、あるいは花の内側が赤色でお灸をすえたように見える。
「サオトメバナ(早乙女花)」は、花を水の上に逆さに浮かべて花相撲をして遊んだ様子を、水田で働く乙女たち(早乙女)に見立てた、あるいは花の形が早乙女たちのかぶる菅笠の形に似ている。
葉:対生
花:集散花序、白色(内側は紅紫色)
花期:8~9月
果実:核果、黄褐色
習性:蔓性多年草
備考:
花筒の内側には白い「腺毛」が密生し、粘液のような物質がついており、アリなどの侵入を防いでいる。
悪臭は葉や蔓を食害する昆虫類への防御とされ、限られた昆虫(スズメガ科のホウジャクやホシホウジャクの幼虫等)しか本種などアカネ科の植物を食草としない。
<毒を利用する昆虫>
ヘクソカズラヒゲナガアブラムシ
ヘクソカズラのペデロシドを排泄も分解もせずにそのまま自分の体にため込む。
食べた中から特定の成分だけを体内に蓄積(選択蓄積)する。
「まずい」ので、天敵のテントウムシにも襲われずに済む。
植物の防衛物質を自分の防衛に利用している。
目立つピンク色の色彩は、自分がまずくて危険な存在であることを誇示する「警戒色(警告色)」。
タグ: アカネ科
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ヘクソカズラ Paederia scandens
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ツルアリドオシ Mitchella undulata
アカネ科ツルアリドオシ属
漢字:蔓蟻通し
名前の由来:「アリドオシ」に似て蔓性。
葉:対生
花:白色
花期:6~7月
果実:液果、赤色
習性:常緑蔓性多年草
備考:
茎は地上をはい、節から根を出す。
1対で咲く2つの花の基部にある子房が合着しており、結実すると、1つの果実ができ、表面には左右2個の花の萼痕がある。
<異型花柱性>
「長花柱短雄しべ」と「短花柱長雄しべ」がある「異型花柱性(2型花)」で、自家受粉を回避する。 -
クルマムグラ Galium japonicum
アカネ科ヤエムグラ属
漢字:車葎
名前の由来:
「クルマ(車)」は、6個の輪生状の葉を車輪に見立てた。
「ムグラ(葎)」は、草むらや藪の意味。
葉:6個輪生
花:集散花序、白色
花期:6~7月
果実:2個の分果、長いかぎ状の毛を密生
習性:多年草
備考:
林内の湿地に生える。
<クルマバソウとの違い>
クルマバソウの花は、漏斗形で筒部あり、花冠の直径は4mmほど、クルマムグラの花冠は、直径2.5mmほど。
クルマムグラの葉は乾くと黒くなる、クルマバソウは芳香あり。
クルマムグラの茎は、4稜あり。
<オククルマムグラとの違い>
オククルマムグラは、葉や茎の裏面中脈に下向きの刺状毛あり。葉は乾いても黒くならない。 -
クチナシ Gardenia jasminoides
アカネ科アリドオシ属
漢字:梔子
名前の由来:
果実が熟しても裂開しないので「口無し」説、
宿存するくちばし状の萼をクチ、細かい種子のある果実をナシに見立てた説など諸説あり。
漢字名「梔子」は、中国の酒器徳利「巵(し)」の形に似ているため、これに木偏をつけた。
樹形:常緑低木
葉:対生
花:両性花、白色
花期:6~7月
果実:液果、橙色/紅黄色、先端に6個の萼片が残る
果期:11~12月
備考:
花の香りがジャスミンに似ている。芳香は真夜中が一番強くなり、夜行性昆虫を引き寄せるためと考えられている。
花は刺身のツマや、酢の物として食用にできる。花弁は僅かに甘味があり、生でも火を通しても食べられる。
果実は黄色染料として布地の染色に用いられた。
無毒なため、近年は食品(栗、きんとん、たくあんなど)の天然着色料に用いられる。
また、生薬の山梔子(さんしし)として、消炎、利尿、止血などに用いる。
碁盤の脚はクチナシの実を象(かたど)ってある。勝負に横から口を挟むのを戒めているという意味。